エア・ウォーター・ゾル、新研究所の完成で化粧品開発を強化

粧業日報 2020年3月27日号 1ページ

カンタンに言うと

  • 「高付加価値」をテーマにODMの基盤構築へ
  • 新研究所を「価値づくり」のベースに
  • コラーゲン研究をさらに深化、「生活科学戦略室」も新設
エア・ウォーター・ゾル、新研究所の完成で化粧品開発を強化
新研究所の概要を説明する鈴木昇執行役員

コラーゲン研究をさらに深化、
「生活科学戦略室」も新設

 研究開発本部長の鈴木昇執行役員は、2017年から新研究所プロジェクトをスタートしたことを明かし、「価値づくり研究所」では「新しい領域への挑戦」「マーケットニーズの創出」「イノベーションとグローバル社会への貢献」の3つのテーマを掲げてスタートすると語った。

 研究開発本部は、2017年に「化粧品開発部」を新設し、高付加価値化粧品の開発をスタートした。今年2月には新たに「生活科学戦略室」を設置した。

 「生活科学戦略室では、生活者の実態を科学の眼で観察して調査を進める。それらを製品開発に応用し、スキンケア研究を深化させながらヘアケアやホームケアまで開発品目の領域を広げていく」(鈴木執行役員)

 「新しい領域への挑戦」では、「高付加価値」をテーマに素材開発や機能評価などの技術開発を進める。素材開発では、自社で製造している魚由来コラーゲンの研究を中心に進める。分子量の異なるコラーゲン研究を進め、肌への有効性を見出す。コラーゲン製造施設は、現在の北海道から茨城工場敷地内の旧・研究施設に移管して研究所の生産性を上げる。

 コラーゲンは生活者の認知度・人気ともに高い美容成分の1つで、様々なスキンケアブランドが採用している。

 同社では、分子量の異なるコラーゲンの研究をテーマの1つに掲げて取り組んでおり、「自社でコラーゲンの製造施設があることは強みとしていきたい」と語る。コラーゲン以外の化粧品原料の研究も進める計画で「原料メーカーや大学との共同研究にも取り組んでいく」という。

 「マーケットニーズの創出」に向けては、15年に独自に研修システム「マーケティングプロジェクト」を立ち上げ、研究員の育成強化を進めている。

 研究員は現在35名で、そのうち16名が2010年以降に入社した若手だ。尾上社長は「マーケティング思考による『お客様視点』の価値づくりを推進するため、入社半年後にプロジェクトをスタートしている。マーケティング思考は、研究開発だけでなく、他部署でも発揮できる能力であり、将来的には他部署でも力を発揮できる人材になってもらいたい」と語った。

 「イノベーションとグローバル社会への貢献」では、基幹事業であるエアゾール技術の深化とともに、輸出入に関わる各国法規制への対応を進める。

 尾上社長は、「グローバル展開に向けては、エコサート認証やハラール認証の取得も視野に入れていかねばならないが、まずは化粧品GMP基準であるISO22716の早期取得を目指す」と語った。
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