日光ケミカルズ、油溶性ビタミン誘導体をヘアケアで提案

C&T 2019年12月16日号 54ページ

日光ケミカルズ、油溶性ビタミン誘導体をヘアケアで提案
 日光ケミカルズは界面活性剤や植物油、ビタミン誘導体をはじめとした、安全・安心・安定供給可能で、高品質な化粧品原料などを販売している。

 近年、同社は美白作用や抗老化作用など、様々な生理活性を持ち長年親しまれてきた油溶性ビタミンC誘導体「NIKKOL VC-IP」のヘアケア原料としての提案に注力している。

 「NIKKOL VC-IP」は、熱やUVなどの外部ダメージによって引き起こされるキューティクルの剥がれを、毛髪の表面に吸着して補修する効果を有する。

 通常、毛髪表面を覆っている18-MEA(メチルエイコサン酸)が、毛髪の指通りの良さや滑らかさに寄与し、表面の疎水性を保っているが、キューティクルの剥がれは18-MEAが失われることによって引き起こされるという。

 18-MEAが失われると表面摩擦が増大するとともに、毛髪の表面が親水性に傾くことや、間充物質の流失につながり毛髪ダメージが加速するという。



 また、18-MEAは熱やヘアカラー(アルカリ処理)などの外部ダメージに非常に弱く、一度失われると元に戻ることはないとされている。

 「NIKKOL VC-IP」は18-MEAの代替となる原料で、毛髪表面のアミノ基と結合することで、毛髪ダメージの改善効果が期待できる。毛髪のアミノ基との結合を確認する試験では、アミノ基修飾したガラス基板に「NIKKOL VC-IP」を塗布し、静置後、エタノールや水で洗い流し水を1滴垂らし、水の接触角を測定することで評価した。水の接触角が大きいほど濡れにくく、「NIKKOL VC-IP」が結合している(疎水性)の指標となる。

 その結果、「NIKKOL VC-IP」は他の油性成分に比べて、接触角が大きく疎水性が示されアミノ基へ結合していることが確認された。また、「NIKKOL VC-IP」をスクワランで希釈したヘアオイル製剤でも接触角が大きくなることが確認された。

 次いで毛髪との反応性の高さを評価する試験では、塗布した時間や温度など、様々な条件下で測定を行ったところ、非熱処理かつ短時間で疎水性を示すことが確認された。

 そのほか、ダメージ毛髪の改善(健常毛髪と同程度まで回復させる)効果も確認されている。健常毛髪をブリーチ処理したダメージ毛髪を、「NIKKOL VC-IP」をスクワランで希釈したヘアオイル製剤で処理した後の毛髪について、水との接触角を測定した。結果、健常毛髪に近い接触角まで回復した。

 また、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、毛髪の表面を観察したところ、ヘアオイル製剤で処理した毛髪は、キューティクルが整っている様子が確認できた(図)

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