日光ケミカルズ、ターンオーバーの正常化でメラニン排出促進

C&T 2020年3月16日号 46ページ

日光ケミカルズ、ターンオーバーの正常化でメラニン排出促進
 日光ケミカルズは、コロイド化学と皮膚科学をベースにグループ7社の総合力を活かし、幅広いニーズに応えるトータルサポートサービスを展開している。

 さらにグローバルネットワークにより、安心・安全で安定供給可能な原料を各国に提供している。

 同社は、紫外線などによりできてしまったメラニンの排出を促すリノール酸誘導体「NIKKOL VF-LINO」の展開を強化している。

 NIKKOL VF-LINOはサフラワー油由来のリノール酸のエチルエステルである。色素細胞でのメラニン産生を抑制するだけでなく、表皮細胞へのメラノソームの取り込みを抑制し、ターンオーバーを正常な状態に整えて効率的なメラニンの排出を促進することで、色ムラのない美しい肌へと導く。

 また、医薬部外品原料規格や、中国既使用化粧品名称目録(2015年度版)にも対応しており、グローバルな製品開発にも対応した素材といえる。

 従来はメラニン産生抑制を主な機能とする製品が多いが、NIKKOL VF-LINOはメラニン産生抑制とともに、メラノソームの取り込みを抑制し、ターンオーバーを正常化するという点が注目されている。



 「メラニン産生をブロックする美白主剤の美白サポート成分として、より効率的に透明感のある肌へ導くコンセプトで拡販していきたい」という同社は、メラニン産生をブロックする美白主剤であるビタミンC誘導体「NIKKOL VC-IP EX」と合わせた提案も強化している。

 色素細胞内で合成されるメラニンは、表皮細胞へ取り込まれ角層に滞留することで、色素沈着として認識される。色素沈着を予防するためには、この過剰な取り込みを抑制することも重要となる。

 試験では、正常ヒト色素細胞から単離したメラノソームとNIKKOL VF-LINOを表皮細胞に処理して48時間培養した。結果、NIKKOL VF-LINOを添加したことにより、表皮細胞へのメラノソームの取り込み量が顕著に減少した。

 同社は、表皮細胞のターンオーバーの正常化に着目している。

 表皮細胞のターンオーバーはメラノソームを取り込むことで遅延することが知られているが、単にターンオーバーを促進してしまうと、色素沈着部位以外のターンオーバーも速まり、全体の色味は改善しているのにも関わらず、かえって色素沈着部位とのコントラストが強調されてしまう場合があるという。

 このためターンオーバーの促進ではなく、通常のレベルまで回復させることが重要になる。

 メラノソームを取り込んだ表皮細胞ではターンオーバーの有意な遅延が確認され、また、NIKKOL VF-LINOを処理した表皮細胞は、メラノソームを取り込んでいない表皮細胞と同等レベルまでターンオーバーの速さが回復することが確認された(図)

 同社は、色ムラの改善を評価する臨床試験も実施している。臨床試験では、3種のシミパラメーター(シミ・隠れジミ・茶ジミ)を指標にNIKKOL VF-LINOを評価した。



 試験ではNIKKOL VF-LINO配合製剤とプラセボ製剤をブラインドで半顔ずつ4週間連用し、2週間毎に3種のシミの数を画像解析により評価した。

 結果、プラセボ製剤を塗布した部位と比べて、NIKKOL VF-LINO配合製剤を塗布した部位は、塗布2週間後から隠れジミと茶ジミが有意に減少し、4週間後にはシミと茶ジミの数が有意に減少していることが確認された(図)

 さらに、炎症後色素沈着への改善作用を確認するため、同様の試験方法を用いて、2週間毎に皮膚のシミ、明度(L*)、隠れジミ、ならびに落屑を画像解析により評価した。

 その結果、NIKKOL VF-LINO配合製剤を塗布した部位では、4週間後にシミ面積が減少し、皮膚色が有意に明るくなったことが確認された。

 さらに、隠れジミについては2週間後から有意な減少が認められ、早い段階から皮膚の改善作用を示すことが期待される。

 また、ターンオーバーの指標である皮膚の落屑についても、2週間以降で有意に減少していることから、皮膚のターンオーバーを正常化することで、皮膚の生まれ変わりを促進し、色素沈着を改善する作用が期待されている。

 「塗布後2週間で隠れジミ・茶ジミの減少が確認されていることから、早い段階での効果実感につながる。現在、最終製品のリニューアルなどの引き合いも増加している」(同社)
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