阪本薬品工業、ポリグリセリン脂肪酸エステルの生産強化へ

週刊粧業 2020年6月8日号 10ページ

阪本薬品工業、ポリグリセリン脂肪酸エステルの生産強化へ
 天然グリセリンの国内トップメーカーとして知られる阪本薬品工業は、環境・社会に配慮した持続可能なパーム油の生産と利用を促進する取り組み(RSPO)に賛同し、2017年5月にRSPOサプライチェーン認証を取得した。その後、RSPO MBグレードの出荷を開始し、化粧品や食品など国内外の取引先から高い評価を得ている。

 特に、ポリグリセリン脂肪酸エステルの販売は好調に推移している。同社はこのほど、食品添加物や化粧品、工業用途への需要増に向けて生産を強化すべく、同社赤穂工場(兵庫県赤穂市)に食品添加物専用のポリグリセリン脂肪酸エステル製造棟を新設した。

 投資額は約17億円で、生産規模は年間1000トンにのぼる。4月に試生産を開始し、5月から本格生産を行っている。新棟の完成で総生産能力は現有能力の1.5倍以上となり、従来の製造棟での化粧品用途の生産が強化された。ハラルとコーシャにも対応し、日本国内のみならず海外市場での展開を加速していく。

 同社のポリグリセリン脂肪酸エステルは、保湿・乳化・可溶化・分散・油剤としての幅広い機能を有した製品をラインアップしており、中でも「SYグリスター CRS₋75」と「Sフェイス IS₋201P」の組み合わせによるW/O乳化剤が好評だ。

 「ポリグリセリン誘導体の市場は拡大していくことが予想され、当社の専任の研究員が専門知識に基づき、さまざまなアプリケーションにおいて最適な機能・処方提案を行う。これにより、お客様の製品開発をサポートし、使用感に優れ、消費者に安心して使用してもらえる原料を提供すべく取り組んでいく」(同社)

 原料ではこのほか、ナチュラル・オーガニック化粧品のニーズが高まり、防腐剤においても天然原料が求められていることから、植物系の抗菌製剤「SYプランテックス」の引き合いも増加している。主成分のカワラヨモギは、全国8カ所の農家と栽培契約を締結し、原料のトレーサビリティを確保している。
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