三洋化成工業、顧客のニーズに寄り添う提案を推進

週刊粧業 2020年6月8日号 10ページ

三洋化成工業、顧客のニーズに寄り添う提案を推進
 界面制御技術を強みに幅広い分野の機能化学品を揃える三洋化成工業(本社=京都)は、顧客のニーズに同社のシーズを組み合わせるニーシーズ指向の開発を推し進めている。

 体制基盤のさらなる強化に加え、顧客の困りごとに高付加価値品で応えるソリューションビジネスを拡充させている。

 2018年5月、同社は化粧品事業を強化すべく、社長直轄のプロジェクトチームを立ち上げ、昨年10月にはBeauty & Personal Care部(BPC部)に発展させた。

 事業部では、三洋化成の約3000品種にわたる製品や評価・開発技術を化粧品原料開発に活かすなど、開発体制の強化を図っている。

 プロジェクトの開始から3年目を迎える今期は、顧客の顕在ニーズに加え、潜在ニーズを的確に汲み上げる体制を整備する段階としている。さらに、研究チームも営業方針を共有することで、営業・研究の一体感を高め、これまで以上にスピード感のある提案を行っていくという。

 今後についてBPC部部長の木村弘子氏に伺うと「複数のデジタルマーケティグを活用し、消費者のニーズを常に意識した製品開発を進めていく」と語り、生分解性素材や天産物から抽出した成分を組み合わせた製品の開発なども視野に入れている。

 2019年については、べとつかずさらっとした使用感を付与できる水溶性増粘剤「サランジュール」が、アジア圏を中心に売上を伸ばし、前年比1.5倍を記録するなど好調に推移した。同原料の拡販を軸に、その他の原料も含め中国などアジアを中心とした海外展開を強化していく。

 木村氏は、「今年4月には、中国での認知拡大と消費者ニーズの把握を目的に、越境ECモールで化粧品ブランド『シェリアージュ』の販売を開始した。今後、中国現地および日本での展開も検討している。同ブランドの販売を通して得られる知見を原料開発に活用していきたい」と意気込みを語った。
ホーム > 化粧品業界人必読!週刊粧業オンライン > 三洋化成工業、顧客のニーズに寄り添う提案を推進

ライブラリ・無料
ダウンロードコーナー

刊行物紹介

定期購読はこちら
お仕事紹介ナビ

アクセスランキング

  • 日間
  • 週間
  • 月間
PDF版 ダウンロード販売
化粧品マーケティング情報
調査レポート
株式会社矢野経済研究所
pagetop