ポーラ、老化を抑制する赤色光に新たな作用を発見

粧業日報 2020年7月7日号 1ページ

カンタンに言うと

  • シワの原因となる好中球を皮膚に集めにくくする可能性
ポーラ、老化を抑制する赤色光に新たな作用を発見
 ポーラ化成工業は、赤色光は好中球を皮膚に集めにくく、近赤外線は好中球を集めやすくする可能性があることを見出した。 

 好中球が分泌する好中球エラスターゼは、シワの原因となることから、日常生活で赤色光を肌に届けつつ近赤外線はカットすることで、効果的なエイジングケアが期待できる。

 同社は、シワの形成に免疫細胞の一種「好中球」が関与していることを発見している。

 好中球は普段、血管内を流れているが、紫外線などの刺激により真皮に炎症が生じると、真皮に移動し好中球エラスターゼという分解酵素を放出。これによりコラーゲンやエラスチンなどの真皮を構成する成分が分解され、シワが形成されると考えられている。

 一方、さまざまな種類の光が皮膚に与える影響についても研究が進んでおり、例えば皮下組織には、皮膚を支えたるみを防ぐ皮膚支持帯(RC)という線維構造があるが、赤色の光はRCに良い影響を、近赤外線は悪い影響を与えることを見出している。

 今回、赤色光や近赤外線はシワの形成にも影響を与えるのではないかと考え、好中球との関連について研究を進めた。

 好中球が血管外に移動するときは、まず血管内壁の表面に出ている接着因子を足掛かりとして血管の壁に接着し、その後、血管の壁をすり抜けていく。

 したがって皮膚内に好中球を増やさないためには、接着因子の量を抑えることが有効と考えられる。そこで血管内皮細胞を培養し光の影響について検討した結果、赤色光が接着因子の発現を減少させることを発見した。また、近赤外線が逆の作用を持つことも見出した。

 今回の研究から、肌に赤色光を届けながら紫外線や近赤外線をカットすることで、シワの原因となる好中球を皮膚に集めにくくできるという。

 好中球エラスターゼを阻害する「ニールワン」と組み合わせると、好中球の働きを多面的に抑制できるため、肌のエイジングケアの効果をより高めることが期待できるという。
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