一丸ファルコス、サステナブルな機能性原料を充実化

週刊粧業 2020年7月13日号 55ページ

一丸ファルコス、サステナブルな機能性原料を充実化
 化粧品・医薬部外品の原料メーカーである一丸ファルコスは、最近4年間で国際的な原料展示会にて賞を立て続けに受賞し、国際的な評価も高まっている。

 開発部の田中清隆次長に話を聞いた。

 ――研究開発の方向性についてお聞きします。

 田中 単に機能性が高いだけでは差別化が難しくなり、付加価値を意識した開発を推進している。

 植物由来を主とした原料開発を強みに、サステナブルな活動にも早い段階から取り組んできたが、近年の環境をめぐる社会意識の高まりも影響し、付加価値として関心を持っていただく機会が増えている。

 例えば、沖縄や宮古島の素材を用いた開発原料は、製品に配合することでサンゴ保全活動に協力できる仕組みを構築して9年以上になる。

 また国際オーガニック認証を取得した原料や、未利用資源を使用した原料のラインナップも充実してきた。既存製品に関してはトレーサビリティを確保した素材への切り替えも着実に進んでいる。

 一方、原料開発メーカーとして「今までにないものを生み出す」をテーマにしたチャレンジングな開発には特に力を入れている。

 外原規に未登録の素材でも、新奇性が感じられれば、迷わず開発を進める。今の時流には合っていないかもしれない。だが、こうした開発姿勢は今後も大切にしていきたいと思う。

 ――新規開発原料の品目数では業界トップクラスといえそうです。

 田中 毎年新製品を発売するべく、開発部全体で多くのテーマを進めている。新規原料の開発では、これまで積み上げてきた研究資産の価値も大きいと感じている。

 ひとつは、モニター試験を繰り返すことで蓄積してきた膨大な肌データである。

 被験者の中には、10年以上にわたってモニター試験に協力している社員も存在する。各個人の現在と過去の肌データの比較から、新たなエイジングサインを発見し、それに対応する原料の開発にも成功した。

 また、研究員らが既存の評価機器のポテンシャルを生かした新たな評価系を確立した事例も生まれている。
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