コーセー×ソフィアリンクス、シワ改善薬用化粧品市場に「多様性」を

週刊粧業 2020年7月20日号 7ページ

コーセー×ソフィアリンクス、シワ改善薬用化粧品市場に「多様性」を
 コーセーは、2018年9月に「コスメデコルテ」からシワ改善美容液「iP・Shot アドバンスト」を発売して以降、集中的にシワ改善薬用化粧品を投入し、ドラッグストアから百貨店、美容室専売品と、価格帯・剤型ともに幅広い展開を行ってきた。

 同社は25年という長年の研究を経て、18年9月に第1弾となるシワ改善薬用化粧品を発売したが、開発期間中の17年1月にはポーラが(リンクルショット メディカル セラム)、同年6月には資生堂が(エリクシール シュペリエル エンリッチド リンクルクリームS)と、先んじてシワ改善薬用化粧品を発売。開発は、かなりのプレッシャーの中で進められたという。

 今回、化粧品業界を専門にマーケティング・コンサルティング事業を展開するソフィアリンクスの三原誠史代表と、薬用シワ改善市場に参入する大手4社(ポーラ、資生堂、コーセー、花王・カネボウ化粧品)の対談を通じ、拡大期を迎えるシワ改善市場を展望する。

 前回のポーラに続き第2回となる今回は、シワ改善有効成分リンクルナイアシン(ナイアシンアミド)を配合し、真皮・表皮の両方に働きかけるアプローチで先行2社との差別化を図るコーセーの、研究所 皮膚・薬剤研究室の猪又顕氏、コンシューマーブランド事業部商品企画二課の直井孝之課長と宮地いつきプロダクトマネージャーとの対談をお届けする。

真皮・表皮の両方へアプローチ
長年のシワ研究を現代に

 三原 まずは、貴社が約25年間取り組まれてきた「シワ研究」の歴史と、シワ改善への考え方をお聞かせください。

 猪又 当社は長年にわたり、肌を奥からしっかり支える真皮と、表面で若々しいハリを与える表皮についての研究を続けてきた。中でも、真皮・表皮のエイジングに影響を与える、活性酸素の研究に独自性を持っている。

 肌のエイジングに効果的な成分を開発するため、当時の研究者たちは根本原因を突き止めることをポリシーに研究を進めた。

 その結果、最も肌のエイジングに影響を与えているのは紫外線であること、さらに、肌内で発生する活性酸素がエイジングの原因となっていることを突き止めた。これは、当時の活性酸素と肌の関係性における最先端の研究成果といえる。

 さらに、当時の郵政省通信総合研究所と東京大学薬学部、そして当社の三者共同で、非常に寿命の短い一重項酸素を検出する機器を開発。これにより、紫外線が一重項酸素を発生させ、肌に悪影響を及ぼしていたことの実証に成功した。

 こうした「肌に対して生じる根本原因を追究する」という研究姿勢は、現代にも受け継がれ、真皮のエラスチンや表皮の幹細胞など、現在も真皮・表皮の老化研究に取り組んでいる。

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