シーボン、アドレナリンの皮膚保湿機能への影響を確認

粧業日報 2020年8月17日号 4ページ

シーボン、アドレナリンの皮膚保湿機能への影響を確認
 シーボンは、化粧品原料メーカー・テクノーブルと共同で研究を行い、アドレナリンの皮膚への影響と独自機能性成分の効果について新たに知見を得た。同研究結果を6月4日~7日に開催された第119回日本皮膚科学会総会 (WEB開催) にて発表した。

 同社では、「スキンケアは肌のリラグゼーションそのもの」という考えのもと、素肌が本来持っている美しさの可能性を引き出すことを目指し、スキンケア製品とフェイシャルケアの両面から、心理的ストレスと皮膚との関連性の研究を進めている。

 今回は、ストレス負荷時によく経験するかゆみや乾燥といった皮膚症状と、全身性ストレス反応である副腎髄質を介したアドレナリン分泌との関連性を確認するため、アドレナリンが皮膚に与える影響について研究を行った。

 研究では、培養した正常ヒト表皮角化細胞にアドレナリンを添加すると、かゆみ伝達に関与するNGF遺伝子の発現量が増加した。

 また、表皮角化細胞にNGFを添加した際には、天然保湿因子(NMF)の素となるフィラグリン遺伝子の発現量が低下した。

 この結果から、アドレナリンにより、表皮角化細胞からNGFが産生され、それによって肌の保湿、バリア機能にするフィラグリン遺伝子の発現量が低下する可能性が示唆された。

 さらに、アドレナリンと同時に、NGF阻害剤を表皮角化細胞に添加して培養した場合では、フィラグリン遺伝子の発現量低下が抑制されることがわかった。

 この結果は、アドレナリンがNGFを介することで、フィラグリン遺伝子の発現量を低下させる可能性があることを示している。

 同時に、カラーの花から酵母を採取し培養して得られたエキス「HCY」が、NGF遺伝子発現の増加を抑制し、FLG遺伝子発現量低下に対する抑制効果があることを確認した。

 以上のことから、心理的ストレスによって分泌されることが知られているアドレナリンは、肌の乾燥やバリア機能低下、かゆみ等を引き起こす可能性があり、「カラーの花由来酵母培養液」がこれらの影響から肌を守る効果が期待できることが明らかになった。今回の研究を通じて、より革新的なスキンケア製品の開発に努めていくという。
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