コロナ禍の中国市場で⽣まれた「酒精⼿(アルコールハンド)」を解説

週刊粧業 2020年8月3日号 5ページ

コロナ禍の中国市場で⽣まれた「酒精⼿(アルコールハンド)」を解説
 新型コロナウイルスの感染拡⼤で消毒液の需要が急増している。中国では頻繁な消毒液使⽤による⼿荒れなどの肌トラブルを指す「酒精⼿(アルコールハンド)」という新語が⽣まれた。

 化粧品ブランドはこの新語を活⽤して消毒液、ハンドクリームを積極的にPRしている。

 新型コロナウイルスの感染予防策としてよく強調されるのが「⼿洗い」である。

 中国の国家卫生健康委员会(国家衛生健康委員会)も消毒液の使⽤や⼿指の衛⽣管理ガイドを発表するなど、国⺠に消毒液の使⽤や⼿洗いを徹底させるための様々なキャンペーンを展開している。

 SNSでも「全⺠洗⼿舞挑战赛(全国⼿洗いダンスチャレンジ)」「⾼校洗⼿舞接⼒赛(⼤学⽣⼿洗いダンスチャレンジ)」が話題となり、「⼿洗い」への認識拡⼤に寄与している。

 これらのキャンペーンに 200以上の⼤学が参加し、5840万ビュー以上を記録している。

●消毒液ニーズの増加で市場参⼊のハードルが下がった

 「⼿洗い」キャンペーンで⼿指消毒液の需要が急増し、消毒液の品薄状態が続くことから、中国当局は消毒液における⽣産許可の基準を緩和するなど、供給促進の措置を取った。

 消毒液市場参⼊のためのハードルが⼀時的に低くなったことから、1~2⽉の間、多数のブランドが消毒液を中国当局に新規登録し、 CHANDO(⾃然堂)、One Leaf(⼀叶⼦)、Biohyalux(润百颜)、SPRING summer(春夏)等の化粧品ブランドも消毒液販売のための商品登録を終えている。

 Biohyalux(润百颜)は化粧品ブランドであるが、1⽉からハンドケア商品を販売、3カ⽉⾜らずで120万元を売り上げている。

●「酒精⼿(アルコールハンド)」、化粧品会社の新たな訴求ポイントに

 中国当局はアルコール濃度75%以上の消毒液の使⽤を勧めている。

 ところが、アルコール濃度の⾼い商品を使うと、アルコール成分が揮発する際に肌の乾燥などトラブルの原因となりかねない。

 そこで中国のSNSでは頻繁な消毒液の使⽤でカサカサになった⼿を指す「酒精⼿(アルコールハンド)」という新語が⽣まれ、消毒液メーカーは「酒精⼿」対策のために「保湿・⽔分補給」効果を積極的にアピールしている。

 CHANDOが新発売した⼿指消毒液はビタミンE、ヒアルロン酸、グリセロール等、保湿成分が追加された。

 なお、同社のハンドクリームはキャッチフレーズを「修护酒精⼿(アルコールハンドリペア)」に変更した。Biohyalux(润百颜)等、中国国内の化粧品ブランドも類似した戦略で⼿指消毒液やハンドクリームを販売している。

 新型コロナウイルスの感染拡⼤は、中国で「⼿指衛⽣」への認識を⾼めるきっかけとなった。それにより中国市場において⼿指消毒液やハンドケアがさらに普及すると予想される。

 なお、今までのハンドクリームは冬シーズンの乾燥肌を防ぐための季節商品的な性格が強かったが、コロナ禍後は⼿指の清潔や肌を保護するために毎⽇⽋かせない必須アイテムになっていくと思われる。

【メジャーチャイナ】(記事提供元)
中国EC・SNSのビッグデータを収集し、ビジネスインサイトを提供するデータ分析会社。中国で取引される6800万個のコスメ商品の売り上げ/価格/効能/原料等を属性別にトレンド分析したデータ、レポートを提供。Unilever,AMOREPACIFIC,LG生活健康, Johnson&Johnson等のグローバルブランド、証券アナリスト等が本社のサービスを利用中。
URL: https://www.measurechina.ai/ja/ E-mail: contact@measurechina.ai
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