テクノビューティーサプライ、強みの小ロットに新規の問い合わせ増加

週刊粧業 2020年8月24日号 8ページ

テクノビューティーサプライ、強みの小ロットに新規の問い合わせ増加
 高級化粧品のOEMテクノビューティーサプライは、さらに小回りの利く生産体制の構築に力を入れる。コロナ禍で多元化する各社のニーズに対し、瞬発的に対応できることが重要だという。

 新型コロナウイルスの感染拡大は、これまで想定していなかった市場環境の変化をもたらした。

 遠藤真人代表取締役社長は「小ロットに強みを持つ化粧品OEMとして、臨機応変に各社のニーズに対応することが求められている」と、今後のOEMメーカーのあり方を考える。

 今年の上半期はコロナ禍に見舞われたが、同社では大きく勤務体制などを変更することはなく、通常業務を遂行した。

 本社・工場の近隣に居住している従業員も多く、公共交通機関を利用する機会も少ないため、社内の消毒やマスク着用などの感染症対策を徹底し、通常業務に取り組んでいる。

 上半期の受注状況も堅調で、「現在のところ、新型コロナによる大幅なダメージはない」と、遠藤社長は3月~5月頃を振り返る。また、コロナ以降は衛生ニーズの高まりから、ハンディミストなどの受注増も目立っているという。

 続けて遠藤社長は上半期について、「新規顧客からの問い合わせも見受けられる」と話す。化粧品業界全体は昨年1月の中国EC法の施行以来、インバウンド需要が落ち着き、加えて新型コロナウイルスによるダメージを受けている。

 インバウンド需要下において大手OEMをはじめとする設備投資が加速してきた一方で、小ロット多品種対応という同社の強みが顕在化している。

 遠藤社長は「結果として、小ロットからの製造も得意としている当社のようなOEMにお問い合わせをいただくケースが増えてきている」と、新規問い合わせ増の要因を考察する。今後は、新規顧客との長期的な取り組みを目指していく。

 同社は高級化粧品のOEMメーカーとして、高級ヘアケアへの知見や枠練り石鹸の小ロット対応などを特長としている。

 石鹸や弱酸性石鹸など、製造工程に時間がかかる製品についても、クライアントのニーズを満たす製品開発のため、きめ細やかな対応を行っている。

 今般のコロナ禍では、洗浄系化粧品ニーズが比較的高まっていることから、今後の提案にもつなげていくという。

 市場環境が大きな変化を迎える中、同社はロット数やリードタイムなど、各社からの要望に瞬発的に対応していくことをモットーとしている。遠藤社長は「それが当社の使命だと思う」とポストコロナのOEMを展望する。

 さらに今後の化粧品製造については、機械化による省人化を図るなど、社会変化に対応できる仕組みづくりを目指す。
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