オルビスは、通販向け出荷作業の主要拠点であるオルビス東日本流通センターの通販用出荷ラインの刷新に伴い、集荷から方面別仕分けまでを独自に自動化した「T-Carry system」を新設し、8月25日より本格稼働している。
また、これを機に同じポーラ・オルビスグループのDECENCIA(ディセンシア)の通販商品の出荷作業も統合し、9月14日より 「T-Carry system」から出荷を開始する。
ポーラ・オルビスグループの中でも、ECを主軸に展開するオルビスとディセンシアの出荷作業を統合することで、近年ニーズが高まる物流のオートメーション化、スマート化のシナジー効果を発揮する。
オルビスが導入した「T-Carry system」は、新たに採用した小型AGV(自動搬送ロボット)を最大限活用した画期的な出荷システムで、1オーダーに対して1台のAGVを割り当て、集荷から検査梱包までの一連の流れを遂行させる。
また従来は手作業だった封函、方面別仕分けを、9種の全配送箱サイズを自動判別する日本最速クラスの自動封函機、自動方面別仕分け機にて行う。
計330台それぞれのAGVが、AI技術を活用した優れた制御システムから指示を受け、集荷~検査・梱包作業場所まで最適なルートで走行し、循環する。
物流業界では近年、AGVが棚を持ち上げ作業者に近づく「GTP(Goods To Person)」という考え方がトレンドになりつつあるが、オルビスではより自社に合ったシステムを構築すべく、優れた制御システムで自走できる小型AGVを採用、従来の「GTP」の概念を覆す世界でも類を見ない独自の仕組みを構築した。
今回の「T-Carry system」は、パートナーである物流企業の流通サービス、マテリアルハンドリング企業の椿本チエインと協働し、2018年から検討を重ね開発したもの。AGVは制御技術に優れたZhejiang LiBiao Robot製のものをロボットサービスプロバイダーのプラスオートメーションより導入し、一部改良して採用した。
旧出荷ラインに比べ、出荷能力は1.3倍となり、人員は27%削減、コストは18%削減(1件当たり出荷作業費)、消費電力は40%削減(年間15万7920KW相当)できる。
新型コロナウイルスの影響でEC市場の伸長が加速する中、物流施設のオペレーションは複雑化し、物流業界の労働力不足は深刻さを増している。
オルビスでは、最新テクノロジーの積極活用によって物流シス テムの自動化、省人化を促進し、環境負荷と物流現場の負担を軽減するとともに、主力のECチャネルの物流基盤を持続可能な形で強化し、生産性・顧客利便性のさらなる向上と、社会課題の解決に取り組んでいく。