東陽化成、多品種多剤型への対応強化で異業種参入を支援

週刊粧業 2020年8月31日号 9ページ

東陽化成、多品種多剤型への対応強化で異業種参入を支援
 東陽化成は多品種多剤型に対応できる自社工場を持ち、小ロットへの対応を武器に展開を拡大させている。

 今期の売上は、継続的に新商品の開発を進めていたこともあり、昨年ベースで推移しているという。一方、執行役員平山友一営業本部長は「下期以降が重要になる」と気を引き締める。

 多品種小ロット対応で、異業種の新規参入企業からの引き合いも多い同社では、通販企業を中心に新商品開発が進んでいる。

 外出自粛や休業が対面販売へダメージとなる中、通販は比較的堅調で今後の新規参入についても「新型コロナの影響は薄いのではないか」と平山部長は分析する。

 さらに続けて、平山部長は「異業種だからこそ、新しい発想を持っているケースも多い」と話す。

 新規参入企業から集まる問い合わせにはユニークなアイデアも多く、一見すると実現が難しそうな企画もあるという。

 そこで、同社では培ってきた技術や製品の切り口を変え、クライアントのニーズに沿わせることで製品化に導いている。現在もニッチな新商品を多数企画しているという。

 このほか、同社ではコロナ禍の関連需要を見込んだ製品開発も進んでおり、マスク着用が常態化する中で生まれる新たなニーズに対応する化粧品を開発している。

 また、巣ごもり需要によって入浴剤への注目も高まっており、特に免疫力アップなどを訴求する製品などが増加しているようだ。

 営業面でも、在宅勤務を取り入れる企業が急増したほか、以前のような展示会も難しくなるなど、商談機会も変化している。コロナ以降、同社は自社HPへのアクセスが急増。HP経由の問い合わせも増加している。

 今後は、強みである多品種小ロットへの対応を引き続き強化していくとともに、より厳しさを増す市場環境に対し、効率性を意識した小ロット生産に取り組んでいく。さらにスピード感のある試作開発にも注力し、着実な製品化を目指す。
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