新型コロナウイルスの感染拡⼤でマスクが⼿放せなくなった今、「フィックスミスト」が改めて注⽬されている。
従来のフィックスミストは夏シーズンにその需要が集中していたカテゴリーだったが、コロナショック後には季節にかかわらず、マスクによるメイク崩れを防ぐアイテムとしてその認識が変わりつつある。
フィックスミストカテゴリーの
売上が急上昇
MeasureChinaダッシュボードで「定妆喷雾(フィックスミスト)」キーワードでカテゴリーの売上を調べると、フィックスミストカテゴリーの売上は前年⽐315%も増加している。
これはコロナショック後、マスク着⽤による化粧崩れを防ぐためにフィックスミストを使⽤するという使い⽅が中国で普及していることによるものだと思われる。
中国ではフィックスミストの上にルースパウダーをつけて、最後に改めてフィックスミストを吹きかける、このまるでサンドイッチのような化粧法を「三明治定妆(サンドイッチメイク)」と呼んでいる。
このメイク法は前後にフィックスミストをかけることでメイクを崩れにくくし、⽔にも強いとして注⽬されてきた。
これが今回のコロナショックをきっかけに「マスクをしても崩れないメイク法」としてさらに話題になった様⼦である。
●中国ローカルブランドが市場をリード
このカテゴリーは、中国国内ブランドの商品が市場をリードしている。フィックスミストカテゴリーの国別の市場シェアを⾒ると、2019年の1年には中国国内ブランドは55%にとどまっていたが、2020年3⽉には90%にまでシェア率を伸ばしていることがわかる。
中国国内ブランドで売上上位のブランドにはPRAMY、MT+SKIN、そしてZEESEAが挙げられる。PRAMYは2019年にTmallに⼊店した新規ブランドである。
⾃社の商品PRに「定妆喷雾(フィックスミスト)」というキーワードを積極活⽤しSNS上で拡散することで今年の3⽉には市場シェアを36%まで伸ばし、中国国内№1のブランドになった。
●グローバルブランドもフィックスミストカテゴリーを強化
グローバルブランドM・A・Cの事例も注⽬していただきたい。M・A・Cにフィックスミストカテゴリーは既に存在していたが、⾃社のTmall旗艦店でフィックスミストを販売して以来、急速に売上を伸ばしてきている。
また中国のSNSプラットフォームであるRED(⼩紅書)ではインフルエンサーとコラボし、フィックスミストを活⽤したサンドイッチメイク⽅法(三明治定妆喷雾法)に関する動画を投稿している。
また、MAKE UP FOR EVERのフィックスミストはすでに⾃社の定番商品だったが、コロナショック後にはSNS上に同社のフィックスミストを取り上げた投稿が急増するようになった。
その結果、MAKE UP FOR EVERの売上は前年⽐62%も上昇している。
新型コロナウイルスが変えた⽣活スタイルは「フィックスミスト」カテゴリーの売上上昇につながっている。
コロナウイルスの拡散が鎮静化しつつある中国では通常勤務に戻った企業も多く、メイク崩れを防ぐフィックスミストのニーズはこれからも続くと予想される。
【メジャーチャイナ】(記事提供元)
中国EC・SNSのビッグデータを収集し、ビジネスインサイトを提供するデータ分析会社。中国で取引される6800万個のコスメ商品の売り上げ/価格/効能/原料等を属性別にトレンド分析したデータ、レポートを提供。Unilever,AMOREPACIFIC,LG生活健康, Johnson&Johnson等のグローバルブランド、証券アナリスト等が本社のサービスを利用中。
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