化粧品業界、新型コロナの影響で支援型消費が拡大/アイスタイル調査

訪販ジャーナル 2020年10月19日号 3ページ

化粧品業界、新型コロナの影響で支援型消費が拡大/アイスタイル調査
 アイスタイルは、8月7日~11日にかけて、15-59歳の@cosmeプロデュースメンバー女性1655名を対象に、コロナ禍における「応援・支援型消費」の化粧品分野における調査を実施した。その結果、回答者の半数以上が、今までに「応援・支援型消費の経験がある」と回答し、特にコロナ禍以降に増加している傾向がみられた。

 新型コロナウイルスは、化粧品業界にも大きな影響を与えており、経済産業省生産動態統計の2020年6月度の結果でも化粧品は昨年より出荷額が減少している。

 また、「新型コロナウイルスの感染拡大により、化粧品を購入する頻度に変化はあったか」を尋ねた質問に対しては、特にメークアップ化粧品において、「減った」「とても減った」という回答が半数を超え、50.6%となった。



 外出自粛やマスクの着用によりリップメークを控えたり、マスクによるメーク崩れを気にしてベースメークが薄くなる傾向にあることから、メークアップの方が顕著に結果にあらわれている。

 @cosmeプロデュースメンバーという比較的、美容意識の高い女性セグメントにおける結果でさえ、このような状況であることからも、化粧品業界もコロナの影響を強く受けており、厳しい状況であるといえる。

 コロナ禍で化粧品業界も厳しい状況に置かれている中で、人や商品・企業やお店など、「何か(誰か)を応援したい・支援したい」という気持ちで化粧品を購入することはあるか」という質問に対し、「ある」という回答が半数以上の50.8%となった。



 「応援・支援型の化粧品購入経験がある」と回答した人に対し、いつ、「何か(誰か)を応援したい・支援したい」という気持ちで化粧品を購入しましたかを尋ねたところ、「今年の1~3月」よりも「今年の4~5月」「今年の6~8月」と回答した人が多く、緊急事態宣言が発令された4月以降増加傾向にあることがわかった。

 これにより、新型コロナウイルスの影響で化粧品業界でも経済的打撃が顕在化したことで、応援・支援型の化粧品購入を行う人が増えていったことがわかる。

 緊急事態宣言後、最も応援・支援型化粧品購入を行ったのは「未婚・有職者」で、半数以上の55.3%が応援・支援型化粧品購入の経験があるという結果だった。



 応援・支援型化粧品購入経験者に対し、「応援・支援への考え・行動について、あてはまるもの」を尋ねたところ、「経済を回す、業界応援・支援のためにも化粧品を購入したい」という回答が、緊急事態宣言前は32.5%であるのに対し、緊急事態宣言後は57.9%であることがわかった。

 これは他の回答よりも緊急事態宣言前からのポイント伸長が大きく、応援・支援型の化粧品購入を行った人たちは、「経済を回す」意識が強いといえる。



 また、応援・支援型の化粧品購入を行った人たちに、直近でとった行動やその時の気持ちに近いワードを選んでもらったところ、緊急事態宣言前と後両方で「応援」というワードが最もポイントが高く、「助け合い」というワードが「支援」というワードを抑えて2番目に多い結果となった。

 さらに、応援・支援したいと思うもので、あてはまるものを選んでもらったところ、「好きな商品・ブランドが廃盤になる可能性がある」という回答が55.3%でトップを占めた。

 自分が好きなものに対する恩返しの気持ちとともに、「もしも愛用している、好きなブランドが廃盤になったら自分が困る」という気持ちが、応援・支援型化粧品購入につながっているといえる。



 今後、人や商品・企業やお店など、「何か(誰か)を応援したい・支援したい」という気持ちで化粧品を購入することが増えると思うかを尋ねたところ、「増えると思う」が半数近くの46.3%を占めた。

 また、その他の回答も「変わらないと思う」が52.7%を占め、「減ると思う」が1.0%にとどまっている。今後もこうした消費を行うことにポジティブな反応であることから、応援・支援型化粧品購入は続くものと思われる。


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