山川貿易、資源の過剰採取や竹害に対応したSDGs関連原料を提案

週刊粧業 2020年10月19日号 18ページ

山川貿易、資源の過剰採取や竹害に対応したSDGs関連原料を提案
 欧州産化粧品原料の発掘・調達に強みを持つ山川貿易は、資源の過剰採取問題に寄与する素材や、放置竹林を使用した素材等、SDGs対応原料の提案を進めている。

 最近の国内需要について、水島史子取締役は「SDGsに関わる原料の採用ニーズが徐々に増えている」と述べる。

 「コロナ禍で工場等の稼働が止まった際、地球環境の変化を実感した方が多く、環境配慮を含むSDGsへの関心がさらに高まったと感じている」

 先の要望に対し、同社はスペインのVytrus(バイチュラス)社開発の植物幹細胞エキスの提案を進めている。植物幹細胞からの抽出で、資源を損なわずにエキスの製造が可能だ。

 さらに、農薬や、海外では特に貴重な淡水資源の使用量を大幅に削減できるという。

 一方、新原料では、紙製品を展開する中越パルプ工業の竹由来のセルロースナノファイバー「nano forest」の拡販を進めている。

 竹の需要低下により放置竹林が増加、繁殖力が強く既存の植生を破壊してしまう竹害が問題となっている。

 中越パルプ工業はこの問題に取り組み、竹由来の紙製品や工業用セルロースナノファイバーで対応してきたが、昨年より化粧品原料でも展開を開始。薬剤処理なしで製造できる環境にやさしい原料として提案している。

 このほか、同社は来年を目途に乳化剤メーカーの新原料を提案する。同原料は「通常30分かかる乳化時間が5分になり最大60%短縮できる」(水島取締役)と加熱工程も必要とせず、製造時エネルギーの大幅な削減が期待できるという。

 今後の展望について水島取締役に伺うと「アフターコロナ時代に求められる『生活基準に合わせた』『高品質で』『安全性が高い』原料を揃える。これを踏まえ、短期的にはコロナで落ち込む人が増える中、精神面にもアプローチができる化粧品原料の提案を行う。一例として幸せホルモンを引き出す原料など、ポジティブな気持ちになれる化粧品開発に寄与したい」
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