一丸ファルコス、ラ・フローラの研究で新知見

週刊粧業 2020年10月19日号 17ページ

カンタンに言うと

  • 善玉菌のバランスを整え弱酸性肌に
一丸ファルコス、ラ・フローラの研究で新知見
 化粧品・医薬部外品原料の研究開発メーカーである一丸ファルコスは、「皮膚常在菌叢(肌フローラ)」の研究から「ラ・フローラ EC₋12」と「ラ・フローラ  K₋1」の開発に成功し、「育菌美容」成分としてプロバイオティクス化粧品市場に参入している。

 2017年に国内で「ラ・フローラ EC₋12」の販売を開始して採用実績を積み上げる中、20年春に中国INCIに対応した国産コメ由来乳酸菌「ラ・フローラ K₋1」を開発し、シリーズ化した。

 表皮ブドウ球菌などの皮膚の善玉菌(CoNS)は、加齢により減少し、肌の老化に深く関わっている。これまでの研究では「善玉菌を増やす」、あるいは「悪玉菌を減らして善玉菌を守る」といった成分の作用機序を見出すのがほとんどだった。

 同社は、性別・年齢、生活環境などによって肌上の菌の種類・数が異なることから、善玉菌と悪玉菌の「バランス」に着目し、研究を進めた。

 「ラ・フローラ」は、健康的な肌状態時の菌バランスに整え、肌バリア機能を高める効果が認められている。

 直近では、CoNSの増加により、皮膚のpH値や水分量が改善することを発見。これら研究成果について、IFSCC2020横浜大会では最新の研究成果として紹介する。

 「ラ・フローラ」を開発した中田善久開発部次長は、欧米のグローバル企業を中心に「ラ・フローラ K₋1」の引き合いが増えていることから、同発表を機に海外へのアピールをさらに強化していくと語った。

 また、ラ・フローラの成長ステップとして、中田氏は「水に溶ける原料で肌フローラに作用する製品の開発を進めていきたい」と話す。溶解性のある原料を開発し、様々な製剤への配合を実現していくという。

 同横浜大会では、肌フローラ研究のほか、21年の商品化を目指す新規原料の研究成果など計7題のポスター発表を行う。化粧品メーカーや大学との共同研究にも精力的に取り組んでおり、共同研究企業として他にも3題に名を連ねている。
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