コーセー、マスク着用後も崩れないファンデーション技術を開発

粧業日報 2020年11月2日号 6ページ

コーセー、マスク着用後も崩れないファンデーション技術を開発
 コーセーは、マスク内の高湿度下においても長時間化粧が崩れず、マスクを外した後でも、メーク直後の仕上がりが持続するファンデーション技術を開発した。

 この技術は第69回高分子学会年次大会にて「パブリシティ賞」を受賞した技術を応用している。今後、製品に応用展開することで、社会の変化や生活者のニーズに対応したユーザビリティの高いメークアップ製品の提案を図っていく。

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため外出の際にはマスクの着用が欠かせない社会状況となる中、マスク内は非常に高温多湿で、それに伴う汗や皮脂の影響から化粧崩れが発生しやすい状況になっている。そのため、マスクを外した時に口周り等のメークのヨレによってシワがより一層目立ってしまうなど、化粧崩れに起因する課題があった。

 そこで今回、長時間のマスク着用後でも、メークアップ直後の美しい仕上がりを持続できるファンデーション技術の開発を行った。

 研究では、マスク内の高湿度下の環境に対応できるよう、水分を取り込むことでより化粧膜が強固になるよう素材設計を行った自社独自開発の技術「油溶性ポリウレタンゲル」に着目した。

 このゲルは分子構造中に点在する親水部に水分が取り込まれることで、より強固な構造となることから、リキッドファンデーションに配合し、マスクをつけた状態で化粧持続効果の検証を行った。

 5時間のマスク着用後において、従来のファンデーションでは化粧崩れが起きているのに対し、ゲルを配合したファンデーションでは、ほうれい線部分のヨレ等の化粧崩れが見られず、塗布時同等の綺麗な化粧膜を維持できていることが確認された。

 この研究成果は今後、ファンデーションにとどまらず、化粧下地やアイメーク・リップ製品に加え、耐水性の高い日やけ止め製剤の開発等への展開が期待される。

 同社では、社会状況の変化や、それにより新たに生まれる生活者の悩みを解決すべく、新規性の高い価値提供だけでなく、今回のようなきめ細かいユーザビリティの向上に関する応用研究も推進していく。
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