ジャパン・コスメティックセンター、離島の地産素材を化粧品原料に応用

週刊粧業 2020年10月26日号 8ページ

カンタンに言うと

  • NPO設立し、循環型社会の実現へ
ジャパン・コスメティックセンター、離島の地産素材を化粧品原料に応用
 ジャパン・コスメティックセンター(JCC)は、佐賀県の離島の地産素材を活用して化粧品原料開発や加工品製造に取り組むべく、NPO法人リトコスを設立した。

 佐賀県には8つの隣接する島がある。しかし近年、島々の畑ではイノシシ被害が多発しており、耕作放棄地が増加している。

 そこでリトコスでは、耕作放棄地を開墾しハーブ栽培やそれらを活用した加工品の製造に取り組むことで、自然環境の改善と人口流出防止を目指している。

 元々漁業が主な産業だった加唐島では、島に自生している椿を活用し、新たな産業として産地化を目指している。

 島民により収穫されたヤブ椿の種をコールドプレスにて搾油後、3回ろ過することで黄金色のピュアな椿油が生まれる。

 こうして生まれた椿油は、これまでも様々なコスメブランドで製品化されており、島の自生種だけを使ったヤブ椿100%椿油は、品質の高さも評判だという。

 唐津湾中部に位置する高島も鳥獣被害に加え、後継者不足から耕作放棄地が増加し、少子高齢化が進行している。

 リトコスでは、島民に自然農法や日本ミツバチの養蜂を教えることで、シニア層の生きがいや収入増につなげている。また、島の地産素材を使ったコスメづくり体験なども行っている。

 さらに、島全体でオーガニックコンセプトを打ち出していくべく、島内すべての耕作放棄地で有機JAS認証の取得を進めており、将来的にはコスモス認証も視野に入れているという。

 SDGsとの親和性も高い、循環型社会のものづくりというストーリー性を打ち出していくとともに、今後はより複合的に事業を拡大させていく。

 「一過性で終わらないことが重要だ。化粧品を軸に人的交流を図る」(JCC参事 八島大三氏)

 このほか、玄海町では2008年から薬草事業を展開しており、新たな産業として雇用創出と交流人口の増加を目指している。

 地域性と独自性によって、薬草事業を起点とする価値創出を目指す玄海町では、植物活力剤「HB₋101」を販売する株式会社フローラと、「薬用植物等の栽培研究を基軸とした農業振興及び地域発展のための包括的連携協定」を結び、薬用植物の試験栽培を進めている。

 将来的には、国内外との文化交流および商流の創出を目指す。
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