日本コルマー、新たに防腐効果試験を確立、敏感肌研究も新知見

粧業日報 2020年10月29日号 1ページ

カンタンに言うと

  • 高精度かつ簡便な防腐効果測定法で、無添加コスメの開発スピード向上へ
  • 防腐剤によって異なる炎症反応を確認、敏感肌化粧品の新アプローチに
日本コルマー、新たに防腐効果試験を確立、敏感肌研究も新知見


防腐剤によって異なる炎症反応を確認
敏感肌化粧品の新アプローチに

 同社では、以上のような防腐効果の試験系を開発し評価していく中で、様々な防腐剤の組み合わせによる肌への刺激の懸念が浮かび上がってきたという。

 そこで、防腐剤の種類によって肌への影響に違いが見られるかどうかを調べるため、「世界中で使用されている様々な防腐剤の肌への影響に関する研究をスタートした」(西浦氏)。

 例えば、代表的な防腐剤であるパラベンの配合量を低減する、あるいはパラベンを一切配合しない化粧品の開発では、代わりとなる原料を複数、組み合わせて処方開発を行うことになる。

 ブランドメーカー側は、「肌に刺激の少ない化粧品」「肌にやさしい化粧品」を求めて、パラベンの配合を敬遠したがる傾向にあるが、「パラベンを使わないことで、代替となる原料の組み合わせが必要となり、処方設計は複雑化してしまう」(西浦氏)という。

 さらに、「その処方の複雑化が肌の炎症を起こす原因になっていることが、研究を進める中で明らかになってきた」(西浦氏)。

 低刺激化粧品へのアプローチとして、今回のIFSCC2020横浜大会では防腐剤によって引き起こされる炎症反応についての発表を行う。

 防腐剤によって誘導される炎症反応が異なることを見出しており、西浦氏は「より安全な処方設計につなげていきたいと考えている」と語った。

 「代表的な防腐剤であるパラベンを使用しない『パラベンフリー』を標ぼうする化粧品が増え、消費者の間ではパラベンが悪者のような誤解を招いてしまっている。一方、化粧品技術者の多くは、パラベンを安全性の高い防腐剤として認識し使用している。研究を通して、こうした化粧品技術者と消費者の間にできてしまっているギャップも埋めていきたい」

 また研究チームでは、肌に安心・安全な防腐処方設計を複数見出しているほか、防腐剤による皮膚の炎症を抑える原料の開発にも成功している。
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