資生堂、リンパ管を立体的に捉える可視化技術を確立

粧業日報 2020年11月9日号 2ページ

カンタンに言うと

  • リンパ管が老廃物を取り込む様子を観察することに成功
資生堂、リンパ管を立体的に捉える可視化技術を確立
 資生堂は皮膚組織の透明化技術と3D化の技術を活用することにより、人の皮膚のリンパ管を立体的に可視化することに成功した。

 さらに、精密かつ連続して断層撮影を行う技術を用いて、皮膚の老廃物がリンパ管に取り込まれる様子を電子顕微鏡レベルで立体的に捉えることに成功した。

 今回の可視化技術の確立によって、これまで以上に皮膚内部の構造や現象を深く検証していくことが可能となる。

 今後、強みとする皮膚可視化技術を活用し、リンパ管や血管などを通して全身と皮膚機能との関わりを解明することによって、革新的な製品開発につなげていく。

 同社はこれまで、強みである皮膚内部の可視化技術を用いて、皮膚や皮下組織で起こるさまざまな現象を研究することで、多くの発見を積み重ねてきた。

 一方で、皮膚内に豊富に存在するリンパ管が、皮膚の老廃物を回収する最初のステップとして重要な働きを持っているにも関わらず、その構造について学術的にその詳細に至るまでは解明しきれていなかった。

 そこで今回、リンパ管が皮膚の表面、特に表皮とどのように関わっているのかを理解するために、皮膚のリンパ管の可視化技術の開発を行った結果、いくつかの興味深い知見が得られた。

 まず、皮膚のリンパ管の構造を観察するために、同社独自の皮膚組織の透明化技術と3Ⅾ化技術を組み合わせて可視化を行った結果、3次元的に皮膚のリンパ管を可視化することに初めて成功した。

 この観察結果から、皮膚のリンパ管は表皮の直下まで毛細リンパ管として密なネットワークを形成していることが確認され、老廃物を取り込むリンパ管の始点を捉えることにも成功した。

 続いて、皮膚組織に対して精密かつ連続して断層撮影を行う今回の技術を用いて可視化を行った結果、電子顕微鏡レベルで皮膚のリンパ管の微細な構造を観察することが可能となった。

 この技術を活用することで、リンパ管が老廃物を回収する瞬間を立体的に捉えることに成功した。
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