資生堂、肌本来の強さと美しさ引き出す新機軸のサイエンスに着手

粧業日報 2020年12月1日号 3ページ

資生堂、肌本来の強さと美しさ引き出す新機軸のサイエンスに着手
 資生堂は、これまでの血流研究の成果をまとめ、血管の構造を丈夫にして恒常的に血流を促進することで、肌本来の強さと美しさを引き出す新機軸のサイエンス「Lifeblood Research」に着手した。



 この研究の応用により、血流を通して、肌に必要な栄養素だけでなく、加齢により減少する免疫細胞を肌のすみずみまで届けることなどを可能にする。

 表面的な肌悩みに対して個別に対処し、一時的に解決する従来の化粧品技術とは異なり、年齢、性別、人種、肌のタイプにかかわらず、誰しもが持つ血管・血流にアプローチすることで皮膚の生命力を高め、理想的な肌状態をあらゆる人にもたらすことを目指す。

 この研究成果を、生活者へのソリューションとして応用していくとともに、さらに研究を進め、根本から全人類の美しい肌をかなえる商品開発につなげていく。

 また、「SHISEIDO」の血流・血管技術の最新情報を発信するデジタルプラットフォーム「Lifeblood Research Lab」を開設する。美肌の未来につながるLifeblood Researchにたどりついた経緯や、研究の詳細、今後の展望を、生活者に役立つ情報として継続的に発信する。

 同社は、20年以上にわたる血管・血流研究により、美しい肌が皮膚の血管の状態や血流の良さと密接な関係にあることを見出し、2020年に皮膚中の免疫機能を司るランゲルハンス細胞が加齢によって減少するメカニズムを解明したことで、全身や肌に免疫細胞を届けるルートとなる血管をケアし、恒常的に血流を改善することで免疫力を高く保ち理想の肌状態に導くサイエンスの着手に至った。

 2019年に実施したインターネット調査では、「生命感あふれるつややかな肌」が、国境や人種を越えて世界の人々が理想とする肌であることが明らかとなっている。

 また、顔全体の毛細血管を立体的に観察できる最新可視化技術を用いて年齢、性別、人種、さらには生活環境が血流に及ぼす影響と肌状態の研究を進めており、良い血流と良い肌状態の関係が解明されつつある。

 同社では、「Lifeblood Research」をさらに進め、血管・血流研究の発展と、世界の人々の理想の肌を叶えるためのソリューション開発を引き続き行っていく。




 「Lifeblood Research」は、温熱やマッサージなどによる一時的な血流促進効果ではなく、細く途切れていた毛細血管を丈夫に太くして血管の状態自体を良くすることで血流を恒常的に促進し、毛細血管のネットワークを再構築することを目指すサイエンス。これに基づく対応を一定期間続けることにより、年齢や人種にかかわらず、皮膚表面下の血流が恒常的に改善することを見出しつつある。

 実際に、血流の状態が恒常的にいい人の肌を調べると、角層水分量とキメの数値が高く、透明感があることがわかった。

 疑似的に血流の状態を良くする実験においても、肌の弾力が向上することが確認されている。

 また、血管が太く、血流の良い人の肌状態を調べる研究にも着手しており、年齢、性別、人種、さらには生活環境に関わらず、血流の状態が恒常的にいい人の肌は、おしなべて良好であり、「生命感あふれるつややかな肌」であることがわかってきている。



 同社では2020年9月、毛細血管を顔全体かつ立体的に3次元画像で可視化する技術に化粧品会社で初めて成功しており、この技術を活用することで、人種・性別にかかわらず全人類が持つ血管と肌の関係を解明する研究を加速させるとともに、従来は部分的にアプローチしていたシミやハリなどのケアを、顔全体へのアプローチへ広げることや、血管による肌状態の予測などに活用していく。
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