ライオン 掬川正純社長 2021年新春インタビュー~DXの加速により事業全体を見える化

週刊粧業 2021年1月1日号 38ページ

カンタンに言うと

  • コロナ禍で衛生関連品や台所用・住居用洗剤が好調に推移
  • 「オフィスでの昼歯みがき」の定着を狙いミガコットを投入
  • 東南アジアが苦戦する一方、北東アジアが好調に推移
  • 容器回収の仕組みをインフラ化し「日本のつめかえ文化」を世界に
  • 2021年以降の10年は売上成長をより強く意識
ライオン 掬川正純社長 2021年新春インタビュー~DXの加速により事業全体を見える化
 ライオンの2020年1~9月期決算(IFRS)は、新型コロナウイルスの影響により衛生関連品(ハンドソープ、手指消毒剤)、巣ごもり消費により台所用関連品の売上が増加した一方、東南アジアでの活動制限の影響もあり海外は前年割れとなり、消費増税前の駆け込み需要の反動減も重なったことで、売上は微増で推移した。

 ハンドソープや手指消毒剤など利益率の高い商材が好調に推移したことで、事業利益は大幅に増加している。2020年の動向と2021年の展望について、掬川正純社長にインタビューした。

コロナ禍で衛生関連品や
台所用・住居用洗剤が好調に推移

 ――まずは、2020年を振り返っていただけますか。

 掬川 2020年は、新型コロナウイルス感染症による地球規模でのパンデミックが政治、経済、社会活動などにかつて経験したことのないほどの大きな影響を及ぼし、トイレタリー業界にも波及した結果、カテゴリー毎に好不調のコントラストが非常にはっきりした1年となりました。

 当社では、ハンドソープを中心とした衛生関連品や、巣ごもり消費に支えられた台所用洗剤、住居用洗剤といった分野が好調だった一方、洗濯用洗剤を中心としたファブリックケアや企業向けに商品・サービスを提供する産業用品などの分野が市況悪化の影響を受け苦戦しました。

 2021年は、ワクチンや治療薬の開発などで状況が落ち着いてくることを想定すれば、こうした動きが緩和される方向に向かい、ハンドソープの需要も今ほどではなくなるでしょうが、完全に元に戻ることはないと見ています。

 人々の暮らし方そのものが大きく変わっており、この暮らし方は元に戻らないどころか、多くの部分が定着していくと考えています。

 ――2020年1~9月期の業績をどのように評価していますか。

 掬川 売上は前年水準をわずかに超える程度であった一方、事業利益は大幅な増益となりました。

 当社の業績も、先ほど申し上げたカテゴリー毎に生じた好不調のコントラストの影響を大きく受けており、収益性の高い分野が増収となっている一方で、相対的に収益性が低い分野が減収となっています。

 その結果、トータルでは利益の出やすい方向にシフトしました。

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