日本歯磨工業会 濱田和生会長、ライフステージに合った口腔衛生の普及を

週刊粧業 2021年1月1日号 16ページ

日本歯磨工業会 濱田和生会長、ライフステージに合った口腔衛生の普及を
 日本の経済状況は、中国で発生した新型コロナウイルスの感染が世界規模で拡大した事で、東京オリンピック・パラリンピックが1年延期、4月には緊急事態宣言が発出、日常生活はもとより、世界経済全体にも大きな影響を与える中ではじまりました。

 また、米国と中国の経済摩擦の激化、英国のEU離脱などによる協調路線の変化や、気候不順による大規模な自然災害など、多くの課題も山積しています。

 このような状況の中でも、歯磨剤市場は堅調に推移しており、2019年度も昨年に続き、13年連続で前年を上回り、前年比105%で過去最高となる1443億円の出荷金額を記録しました。

 2020年度上期も新型コロナウイルス感染拡大の中、前年比104%で成長をしています。ただし、緊急事態宣言解除後は、働き方や生活習慣が変化するなど、変化する市場環境の中で、オーラルケアの重要性にも変化がみられます。

 この状況には様々な背景が考えられますが、コロナ禍における新しい生活習慣を余儀なくされる中、官民一体となって健康寿命を延伸させようとの取組が依然と変わらず活発であり、健康日本21に代表される国の施策の充実、歯科医や歯科衛生士を中心としたプロフェッショナルによるオーラルケアの重要性の啓発が挙げられています。

 また、お口の状態やライフステージごとのニーズに合ったオーラルケア製品を選ぶというセルフケア意識の高まりがあると考えられます。

 そして、会員各社がこれに応えるべく、研究開発やマーケティング活動に努めたことがこの市場成長の要因であり、そこには関係行政、関係団体、賛助会員の皆様の多大なるご支援があったからこそと、改めて感謝申し上げる次第です。

 新型コロナウイルス感染拡大にともない、タイ、マレーシアをはじめとしたアジアの行政、歯科医療関係者との情報交換会や相互の交流会などが中止となりましたが、このような情報交換の場は、2021年度へ継続し、アジアの口腔衛生の活性化に結びつけていきたいと考えております。

 健康寿命を延ばし、健康長寿社会をつくることは国の課題でもあります。

 特に、「歯と口腔の健康」においては、子供から大人までの全世代にわたり、う蝕予防や歯周病予防などの口腔衛生意識を一層高め、超高齢化社会に備えるためのオーラルフレイルの予防啓発への取組みなど日常生活の中に浸透させていくことが重要であり、これらを進めることは、現在、そして将来の生活習慣病等の全身疾患の予防に繋がり、国民の健康増進・健康寿命の延伸に貢献することになると考えます。

 日本歯磨工業会は、このような国民の皆様の健康意識の高まりをふまえ、コロナ禍で新しい生活習慣を余儀なくされる中、「歯と口の健康を通じて、人々の快適な生活の実現と健康寿命の延伸に貢献する」ことを社会的使命であると捉え、ライフステージごとの口腔衛生の普及に努めます。コロナ禍ではありますが、本年もこの使命を果たすべく、積極的な活動に取り組み、人々の健やかな暮らしに役立つ生活提案を進めてまいります。
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