資生堂、高い紫外線防御効果と優れた使用感を高次元で両立

粧業日報 2021年1月25日号 1ページ

2021年1月25日 11時30分

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 資生堂は、紫外線防御粉末を微細化する技術「スムースプロテクトテクノロジー」を新たに開発し、日やけ止めの製造プロセスに活用することにより、自社の従来製法よりも少ない紫外線防御粉末で効果的に日やけ止め効果を引き出すことに成功した。

 日やけ止めには、高い紫外線防御力や耐水性などの観点から酸化チタンや酸化亜鉛などに代表される粉末が一般的に用いられているが、高い機能性を持つ一方で、肌への負担感や塗布後の被膜感、白さなど使用感触の面では課題もあった。

 今回の技術確立により、肌への負担感や塗布後の被膜感や白さをより気にせずに使用できるようになる。今後、この技術を活用することにより、さらなる製品の進化を図っていく。

 同社は、紫外線の肌に対する影響についてまだ広く知られていなかった頃からいち早く紫外線防御研究に着手し、日常生活から過酷な紫外線条件下までのあらゆる環境下で、紫外線の悪影響から肌をしっかり守りたいという顧客ニーズに応えるべく、常に革新的な技術開発を行ってきた。

 2014年には、水や汗に触れることで紫外線防御効果が強くなる技術、さらに2019年には太陽などの熱によっても紫外線防御膜が強化される技術を開発した。

 今回は、主に紫外線防御粉末を使用して高い紫外線防御効果を得る際に、両立が困難であった「優れた使用感触の実現」という技術課題に対し、紫外線防御粉末の新たな分散技術に着目することにより、その課題の解決に挑んだ。



 紫外線防御粉末は、油分になじみやすいように表面を疎水化処理しているが、表面処理は完全ではないため、露出した未処理面同士が凝集し、製品中では分散しにくい状態となってしまう。

 そのため、強い凝集力を持つ粉末を日やけ止めに安定に配合する技術が求められていた。



 今回は、紫外線防御粉末に自社で開発した分散成分を効果的に配合し、高圧での特殊な処理を行うことで安定な分散状態を実現することができた。

 全く同じ組成の紫外線防御粉末を含む分散物について、自社の従来技術で分散したものと、新たな分散技術(スムースプロテクトテクノロジー)で得られたものとの間で紫外線防御効果の比較を行った。

 その結果、スムースプロテクトテクノロジーによる分散によって、従来技術の約2.9倍の紫外線防御効果を引き出すことが確認できた。

 この結果から、高い紫外線防御効果を維持したまま日やけ止めに配合する紫外線防御粉末を減らすことが可能になった。



 次に、スムースプロテクトテクノロジーを活用した製品における塗布時の白さ低減効果の評価を行った。

 アクリル製の黒板に同じ紫外線防御粉末を同じ組成で配合した従来技術品とスムースプロテクトテクノロジー活用品を分散後、それぞれ一定量塗布し、塗布後の白さ、塗布時の粉末の伸びなどを比較した。

 その結果、自社従来技術に比べスムースプロテクトテクノロジーでの分散により、同じ塗布量では明らかに白さが軽減されることがわかった。



 続いて、紫外線防御粉末の分散工程にスムースプロテクトテクノロジーを導入して分散した疎水化処理粉末を用いた日やけ止めの電子顕微鏡写真を比較した。

 自社従来技術に比べスムースプロテクトテクノロジーによる分散の方が紫外線防御粉末が細かく、より微細に分散できていることがわかった。

 次に、スムースプロテクトテクノロジーの活用による自社従来技術活用品との使用感触の違いについて検証した。

 紫外線防御剤をスムースプロテクトテクノロジーで分散し、従来品と同じ紫外線防御効果を持つように試作し、自社従来品の使用感触と比較した。

 使用感触の測定は、同社が独自に開発した触感センサを使用し、肌上を滑らせた時の振動と摩擦の計測値を元に比較を行った。



 その結果、スムースプロテクトテクノロジーを用いた場合には、日やけ止めを塗った際の肌への負担感や被膜感は減少し、より素肌に近い使用感触が得られることがわかった。

 つまり、今回開発した技術により、紫外線防御粉末の配合量を減量しても既存の日やけ止めと同等の紫外線防御効果が得られることがわかった。

 紫外線防御粉末は高い紫外線防御効果や耐水性がある一方、肌への負担感や被膜感、白さの原因となってしまうため、使用感触の面では配合量が少ないことが望まれるが、スムースプロテクトテクノロジーにより、高い紫外線防御力を求める顧客に対しては、心地良い使用感や白くならない塗布後の見た目など、新たな価値を提供することが可能になる。

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