大日本除虫菊は、コロナ禍による在宅時間の増加や天候要因で殺虫剤市場が好調に推移した中、「ゴキブリムエンダー」によって空間用ゴキブリ剤カテゴリーの活性化を図った。
使用前の準備や後片付けの煩雑さから、くん煙剤がダウントレンドにあることに着目し、昨シーズン、室内にプッシュするだけで同等の効能がある画期的な製品として投入した。TVCMやSNSの効果もあり、配荷は順調に進み、殺虫剤全体を牽引した。
20年の殺虫剤の実績は前期比125%となった。今シーズンもゴキブリムエンダーを中核製品とし、客数、買上点数、購入単価のアップで、一層の売上アップを図る。
ゴキブリムエンダーは市場になかった製品で2009年から開発に着手し、試行錯誤を経て、製品化に至った。コロナ禍で十分な店頭活動ができなかったが、製品の新規性が受け入れられ、既存のくん煙剤と合わせ、空間用ゴキブリ剤カテゴリーの活性化を図った。
昨シーズンの殺虫剤市場は全カテゴリーが前年を上回った。ダウントレンドにあったくん煙剤も伸長し、ゴキブリムエンダーと合わせた空間用ゴキブリ剤の実績は前期比135.9%となった。
今シーズンも重点製品の位置づけで客数、買上点数、購入単価の3つの視点から底上げを図る。
客数アップに向けては、ほかのゴキブリ用剤型と比べて、まだ認知率が低いことからTVCMをはじめとした各種媒体、Web広告のほか、店頭でこれらと連動したPOPの活用などで、訴求力を高める。
従来のエアゾール、ベイト剤の認知率が60%以上となっているのに対し、ゴキブリムエンダーは20%弱にとどまるという。
買上点数はゴキブリムエンダーの購入者は、ほかのゴキブリ用剤型との併売率が高いことから、エアゾール、ベイト剤などと同時展開することで、売上の最大化につなげる。
ゴキブリ用剤型購入者全体の併売率は20%弱だが、ゴキブリムエンダーの購入者については50%弱を占め、ゴキブリ用剤型のロイヤルカスタマーであることが明確になっているという。
購入単価は、継続使用の意向が高いことに着目し、大容量の拡販に取り組む。容量は40プッシュと80プッシュの2タイプがある。購入者の継続使用意向は90%を超え、40プッシュの購入者の40%以上が大容量を求めていることがわかった。
80プッシュの販売ウェイトを上げることで、単価のアップにつなげる。昨シーズンの数量ベースの構成比は40プッシュ80%、80プッシュ20%だった。今シーズンは80プッシュを35%に高め、金額シェアで40プッシュ55%、80プッシュ45%を目指す。
これらの施策によって、ゴキブリムエンダーの今シーズンの販売数量は前期比170%の250万本を計画している。また殺虫剤トータルの販売目標は112%としている。