ホシケミカルズ、コロナ前からテレワーク体制を整備

週刊粧業 2021年4月12日号 22ページ

カンタンに言うと

  • 多能工化の推進で生産を安定稼働
ホシケミカルズ、コロナ前からテレワーク体制を整備
 化粧品・医薬部外品の提案型OEM/ODMを主軸に原料販売や容器製造なども手がけるホシケミカルズは、東日本大震災で主力製造工場が計画停電の影響を受けたことが契機となり、コロナ禍以前より本社を筆頭に国内外5工場と研究所でそれぞれBCP対策の策定を進めてきた。

 具体的な取り組みについて、企画開発室 広報の平地祥子氏に話を伺った。

 ――策定しているBCP対策の内容についてお聞かせください。

 平地 まずは、災害時にも迅速に業務が遂行できるよう、生産部門や研究所に対する確実なオペレーション体制の確立を目指し、本社(オフィス部門)から策定を行った。

 具体的には、生産拠点を含めた全社的な連携システムの構築(クラウド化)を進め、コロナ以前からオフィス業務に関する基幹システムのほとんどが既にクラウド化されており、リモートワークができる体制を整備していた。

 そのため、コロナ禍では新たにスマホとパソコン、通信機器を社員1人に1台それぞれ配布しただけですぐにテレワークを導入することができ、現在もオフィス部門の出社率は半分以下でテレワークを継続している。

 ――製造現場ではBCPに対し、どのような取り組みを行っていますか。

 平地 当社では万が一のときでも生産をストップせずに稼働を続けられるよう、「生産設備を常に使えるようにする」「必要な労働力を確保できるようにする」「製品に必要な原料・資材を用意する」という3つの点を特に重視している。

 工場で働く女性従業員の割合は85%以上にのぼり、長期雇用のパート社員が多い。その反面、子どもを持つスタッフも多く、勤務が不安定にもなり得る。

 そこで、製造現場では業務範囲を一般的なOEM企業よりも広げる「多能工化」を推進し、パート社員でも製造機器の調整を行うなど、人による機会損失を出さない体制づくりをコロナ前から取り組んできた。

 BCPに関しては、生産拠点の一部が被災しても工場間で相互補完できる国内外5工場体制のほか、商社機能と国内外のネットワークを活かした原料・資材の調達力が当社の強みといえる。

 今後の取り組みとしては、生産スケジュールに急な変更があっても製造ラインを空けることがないよう、現状の在庫で柔軟に対応できる生産体制の構築をさらに強化する。
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