ライオン、インクルーシブ・オーラルケアをスタート

粧業日報 2021年6月21日号 4ページ

ライオン、インクルーシブ・オーラルケアをスタート
 ライオンは、オーラルケア機会の格差是正を目的としたサステナビリティ重要課題への事業アクション「インクルーシブ・オーラルケア」の推進を2021年より開始する。

 子どもたちの自己肯定感の向上に貢献する「おくちからだプロジェクト」や、「サステナブルなミント生産の仕組み」の実現を目指す活動をスタート。6月9日には、「歯と口の健康週間」に合わせ活動のスペシャルサイトを公開している。

 歯磨き行動は、全身の健康と密接に関係しており、人が本来持っている「健やかに生きる力」を引き出し、育む、非常に重要な習慣であるとともに、その習慣の促進だけではなく、SDGsの概念に則り、オーラルケアを通じて、社会や環境課題に取り組んでいく活動の重要性が増している。

 同社ではこれを「インクルーシブ・オーラルケア(オーラルケアが、人と社会にできることを。)」と名付け、3つの行動指針に基づいて、持続可能な様々な取り組みを実行していく。

 1つ目のアクションとして、子どもたちの自己肯定感の向上に貢献する「おくちからだプロジェクト」を推進する。

 子どもたちの食を支える「こども食堂」や「こども宅食」を通じ、「歯と口の健康」をテーマにした体験プログラムを開発し、子どもたちの自己肯定感の向上に貢献していく。

 昨今、日本の子どもの貧困問題が深刻化し、子どもの7人に1人が相対的貧困状態であると言われており、特に一人親世帯の貧困率はOECD諸国の中でワースト1位となっている。

 生活困窮世帯は、そうでない世帯に比べ、子どものむし歯が多い傾向にあることがわかっており、「他者から褒められること」「親以外の大人とのコミュニケーションをとること」「歯みがきなどのライフスキルを獲得すること」の体験が圧倒的に不足していることにより、自己肯定感が著しく低いことが課題となっている。

 そこでプロジェクトでは、様々な環境下の子どもたちに、楽しく学びながらオーラルケア習慣の重要性を感じてもらえるよう、ダンスやクイズなど非認知能力を高めるコンテンツを展開していく。



 2つ目のアクションとして、「インドにおけるサステナブルな認証ミントの採用」により、不足している認証農家を増やし、サステナブルなミント生産の仕組みを構築していく。

 同社のハミガキには、香料として世界各地で生産される上質な天然のミントを採用しており、中でも「和種ハッカ」というインドを最大の生産地とするミントは、ハミガキの香味を完成させるのに大切な香料となっている。

 同社では2021年6月より、持続可能な農業経営を支える「SAI」が認証するミントに切り替え、「デンタークリアMAX」をはじめとして、2022年までに和種ハッカを配合している8つのハミガキブランドに拡大していく。

 この取り組みを通じて、SAI認証を受けたミントを調達・継続購入することで、認証取得を目指す農家の拡大を促進する。

 インドの香料会社を通じてその取り組みの意義を伝え、実地研修等のサポートをしていくことで、持続可能な生産の仕組みを実現していく。なお、インドの認証農家の数を2022年までに2021年現在の5倍に増やすことを目標としている。
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