東洋新薬、医薬部外品などの伸長で売上好調

週刊粧業 2021年7月12日号 62ページ

カンタンに言うと

  • 企画開発力強みに国内外へ提案強化
東洋新薬、医薬部外品などの伸長で売上好調
 化粧品のOEM・ODMを手掛ける東洋新薬は、シワ改善化粧品などを中心に販売が好調で、今期(2021年9月期)の実績は大幅な伸長を見込む。

 問い合わせの多い製品や東京ラボの移転、中国展開の強化施策などについて、小林伸次化粧品事業部部長に話を伺った。

――業績が好調です。

 小林 コロナ禍で業界全体が落ち込む中、通販スキンケアをメインに手掛ける当社は影響をほとんど受けず好調な製品も多い。

 中でも「ナイアシンアミド」を主剤とするシワ改善化粧品の売上が牽引している。

 また、ユーザーに最適化した「パーソナライズド」製品へのニーズも高まっている。肌悩みに応じた有効成分や好みのテクスチャー・香りを複数揃え、フレキシブルに対応できる体制を整えている。

 さらに、デリケートゾーン向け製品などフェムテック領域の受注も好調だ。

 低刺激性が求められるため、市場ではpH値を調整した弱酸性の洗浄剤が多く投入されているが、加えて当社では界面活性剤不使用の三相乳化法による低刺激なクリームや乳液、ボディミルクも提案しており、支持をいただいている。

 ――今後の施策は。

 小林 肌の診断や処方の試作ができる東京支店の併設ラボを渋谷に拡充移転し、9月頃から本格稼働する。

 鳥栖本部に加え、東京でもシワの深さなど様々な肌診断や多様な処方を試作できる環境を整え、東京近郊のお客様のスピーディーな製品開発に寄与する。

 またオンラインでの営業活動として、昨年10月に立ち上げた化粧品・健康食品製造の情報サイトもアクセスが伸びてきている。

 新規参入企業の支援実績も増える中、オンラインセミナーと併せた情報の発信により、幅広いお客様の化粧品製造に貢献していきたい。

 ――中国展開は。

 小林 中国の現地企業にダイレクトにアプローチし商談機会の創出を図る。

 技術面では、現地の製造のレベルは年々上がり「日本製」だけでは通用しないため、三相乳化法や医薬部外品など当社技術の独自性をアピールし差別化を打ち出す方針だ。

 また国内も含まれるが市場の商品サイクルが早まり、ニーズに対応した製品のスピーディーな企画・製造力が求められている。

 当社では女性を中心とした企画開発の専門部署により消費者目線の商品企画を強化し、市場ニーズを捉えた商品を迅速に提案できる環境を整えている。

 加えて直近では、美顔器など化粧品や健康食品の周辺機器も合わせて提案するなど「美と健康に関わる領域」をシームレスに扱い、顧客のロイヤル化を促している。

 受注が年々増える中、中長期的には新たなアイテムに対応できる設備投資も視野に入れ、顧客の要望により柔軟に対応できる製造体制を構築していく。
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