阪本薬品工業、脂肪酸エステルの増粘・ゲル化剤が好評

週刊粧業 2021年7月12日号 57ページ

カンタンに言うと

  • 初披露した植物由来ポリグリセリン
阪本薬品工業、脂肪酸エステルの増粘・ゲル化剤が好評
 天然グリセリンの専業メーカーとして知られる阪本薬品工業は、今回のCITE JAPANで、鉱物系・石油系フリーの処方設計が可能な「植物由来ポリグリセリン・ポリグリセリン誘導体」をコンセプトとする保湿剤・乳化剤・可溶化剤・分散剤・油剤などを幅広く提案した。

 その中でも特に、今回初披露した極性油から非極性油まで幅広い油に対して増粘・ゲル化が可能な「Sフェイス BED₋102」(二塩基酸エステル)が、最も反響が多かったという。

 Sフェイス BED₋102は、植物由来のグリセリンから製造したポリグリセリン脂肪酸エステルをベースとし、化粧品用ゲル化剤としての増粘性能に加えて塗布時の感触がなめらかで優れた使用感が特長だ。

 メークアップをはじめ、オイルクレンジングやスキンケアクリームなど幅広い化粧品で感触調整や安定性向上といった効果が期待できるという。

 「ポリエチレングリコール(PEG)フリーやサステナビリティのトレンドを追い風に、これまで鉱物系や石油系の原料を使用していた企業から植物系への切り替え需要が高まっており、今回初披露したSフェイス BED₋102には、既に70~80件のサンプル依頼が寄せられている。2年前の前回も植物由来のグリセリンやポリグリセリン誘導体をコンセプトに様々な原料を提案していたが、今回はさらに注目度が高まったことを改めて実感した」(同社)

 ブースではこのほか、新設のアプリケーションラボで開発したスキンケアからメークアップを中心とした9品種の新たな処方例を紹介した。

 このうち、COSMOS認証取得の天然系可溶化剤「高親水性ポリグリセリン脂肪酸エステル(Sフェイス10G₋IS/同10G₋L)」を配合し、ラベンダーオイルなどの天然精油を高濃度で可溶化することが可能なPEGフリーのアロマミストが好評だったという。

 「単に処方例だけではなく、グリセリンやグリセリン誘導体の保湿に対する作用機構といった基礎研究をベースとした知見やデータも踏まえながら、一連の流れで来場者に向けて植物由来のポリグリセリンとポリグリセリン誘導体を紹介した。今後はSフェイス BED₋102の処方例を拡充するとともに、グリセリン誘導体の可能性を広げる新規原料の開発に注力していきたい」(同社)
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