花王、肌のざらつきをなめらかにするエキスを発見

粧業日報 2021年7月15日号 4ページ

花王、肌のざらつきをなめらかにするエキスを発見
 花王は、肌のざらつきの原因がセラミド不足であることを突き止め、角層中のセラミド量を増やす成分を探索し、約1600種の植物エキスの中からトウセンダンの果実エキスにセラミドを増やす効果が高いことを発見した。

 さらに、同エキスには角層細胞と細胞間脂質の接着性を高めることで角層の土台を強化する働きがあることも解明した。研究結果は、第46回日本香粧品学会にて発表している。

 乾燥により肌がざらついたり、かさついたり、暗くくすんだように見えるという悩みを持つ人は少なくなく、このような肌状態は、低温低湿度の冬だけでなくエアコン下でも起こり、世界中の人々に共通の悩みとなっている。

 こうした中、同社は長年のセラミド研究を通じて、このような乾燥悩みに対する技術開発に取り組んでいる。

 北米では、肌の亀裂や皮むけなどのひどい乾皮症に悩む人が多いことから、さらに研究を進めたところ、このような人々の肌では、角層水分量が少なくなっているとともに、肌のバリア機能を担う角層中のセラミド総量とセラミドNPという特定のセラミドが有意に減少していることを突き止めた。

 そこで、上記の知見をもとに冬の日本でよく見られるざらついた肌を調べると、同様に、角層水分量、セラミドの減少が起きていることがわかった。

 角層中のセラミド量を増やす成分を探索するため、ヒト表皮細胞の培養液に約1600種の植物エキスをそれぞれ添加して評価した結果、トウセンダンの果実エキスにセラミドを増やす効果が高いことを発見した。

 特に、トウセンダンの果実エキスはセラミドNPを増やし、さらに角層細胞と細胞間脂質の接着性を高めることで角層の土台を強化することもわかった。

 トウセンダンの果実エキスあり・なしそれぞれのモデル化粧水を用意し、乾燥によるあれ肌が気になる日本人女性30名を対象に8週間の連用評価を行った。

 その結果、トウセンダンの果実エキスありのモデル化粧水を使用したグループでは、8週後肌のセラミド量・セラミドNP量が有意に増加していたほか、肌表面がなめらかになり、使用を中止した翌週についても、なめらかな肌状態が維持されていた。

 この技術では、肌(角層)のセラミド量が増加するため、一定期間の効果の持続が期待できることが示唆されたという。
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