ナユタは小ロット対応や小回りの利くサービスを強みとし、オールインワンゲルを中心としてスキンケア・ヘアケア・ボディケア化粧品の製造を行っている。山﨑尋士代表取締役社長に話を伺った。
――現在、研究開発ではどのような取り組みを進めているのでしょうか。
山﨑 直近では、アウトドアブームに着目し、虫よけ効果のあるドライシャンプーの試作を進めてきた。災害時など、お湯や水を使えないシーンでも活躍すると考えている。
まだ製品化にはつながっていないものの、引き続き提案を行っていきながら、そうした技術を応用した別製品の展開も進めていく方針だ。
――引き合いの強い製品はありますでしょうか。
山﨑 ヘアケア関連の受注が好調に推移している。直近ではシャンプーのOEM依頼があり、プラスチックを使わない容器を活用するなど、環境に配慮した製品を予定している。
飲料用の紙パックを応用した容器や、固形シャンプーなどを検討中だ。紙パック容器は、耐久性の観点から、実現する場合には、詰替え用のような形での展開となるだろう。
その場合、別途で容器を用意する必要があるため、完全にプラスチックを削減することはできない。
一方で、固形シャンプーであれば、包装用のフィルムくらいは必要になるかもしれないが、ほとんどプラスチックを使用しない形を実現できるのではないか。固形シャンプーは世界中でブームになりつつある。
プラスチックボトルを必要としないため、環境にもやさしい。海外では続々と商品の展開が進んでおり、日本においても、サステナビリティへの意識が高い層を中心に注目を集めている。
そうした中で、日本でも固形シャンプーの展開が進んできていることから、差別化を図るため、付加価値をつけた形での提案が必要だと考えている。現在は、リサーチを行いながら、具体的な提案を練っているところだ。
最近の傾向として、トレンドのCBDコスメなど、キャラクター性・ストーリー性を持つ化粧品のニーズが高まっていると感じる。
どこにストーリー性を感じるかは人それぞれだと思うが、製品のストーリー性を訴求するページをWebに用意しておくことも必要だろう。
何かを購入したり、サービスを受ける前、ウェブで検索をする人も多い中で、何もヒットしないものは、あまり好まれない傾向にある。
また、当社では、香港企業からのOEM依頼もあるため、現地エージェント会社とも取引があるが、彼らは非常にトレンドに敏感だと感じる。
――今後の展望についてお聞かせください。
山﨑 今後は、グループ会社と協同して、小回りの利く生産設備を生かしながら、香りやエキスを自分好みにチョイスできるような、パーソナルオーダーの取り組みも進めていきたいと考えている。