花王、AIと数理最適化で店頭支援巡回計画を自動化

粧業日報 2021年7月29日号 1ページ

カンタンに言うと

  • 年間数万時間を要していた計画業務を半減
花王、AIと数理最適化で店頭支援巡回計画を自動化
 花王は、複雑化する生活者のニーズや購買行動の変化に対応するため、日立製作所によるAIと数理最適化技術を活用し、コンシューマープロダクツ製品の販売店巡回計画を自動立案するシステムを協働して構築し、本格運用を開始した。業務能率化による活動生産性の向上を目指す。

 花王グループの店頭支援を担う花王フィールドマーケティングでは、販売店の店頭支援を行う約2000名の担当者が全国の販売店を巡回し、顧客には購入しやすく販売店には売上貢献ができるような売場提案や、店舗改装の支援、新店舗の陳列など売場づくりの活動を行っている。

 この活動は、全国約60のエリアごとに、販売店の要望や作業希望日、マーチャンダイザーの勤務予定・業務計画、技術・適性、自宅や訪問先各店舗間の移動時間など、多岐にわたる制約条件を考慮し、計画担当者が経験をもとに手作業で時間をかけて巡回計画を作成していた。

 そこで、この計画業務のプロセスを日立製作所の「Hitachi AI Technology/計画最適化サービス」を用いることで、定式化・デジタル化し、統一したルールのもと、より最適な計画を自動的に立案することにより、計画業務の時間・コスト削減と、店頭支援活動の能率化・業務平準化の実現を目指していく。

 これにより、これまで多くの制約条件を考慮して時間をかけて作成していた計画の最適解を高速に自動で導くことができ、また業務要件の変化に応じた追加学習や、計画の履歴情報から特徴を学習させることにより、さらに効果的な計画に進化させることが可能となる。

 年間数万時間を要していた計画業務を半減できると見込んでおり、より創造的な提案活動に取り組むことで、業務能率化による活動生産性の向上を目指す。

 花王は、従来にない新しい価値や発想を生み出す日立独自のデザインアプローチを活用して、計画立案に関する一連の業務を見える化、さまざまなデータや制約条件とあわせてデジタル化し、AIと数理最適化技術を用いて計画業務のノウハウを進化させ、最適化と自動化を実現した。

 2021年~2025年までの中期経営計画「K25」では、DXを通じた新事業の始動と既存事業のイノベーション強化、働き方改革、活動生産性の向上に取り組んでいるが、さらに一歩進んで顧客との直接的かつ持続的な関係を築き、新しい価値体験を提供し続けるとともに、業務内容そのものや組織・プロセス・コスト構造、企業文化・風土にまで踏み込んで変革を進めていく。
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