アルビオン、とろけるような肌感触の新規クレンジング製剤を開発

粧業日報 2021年11月5日号 3ページ

アルビオン、とろけるような肌感触の新規クレンジング製剤を開発
 アルビオンは、優れたメーク落とし効果がありながらも粘性が低いことで使用性に課題があったバイコンティニュアス相を形成するクレンジング製剤をクリーム状に増粘・安定化することに成功した。これにより、クレンジングを手にとった際にたれ落ちることなく、肌になじませた感触もとろけるようになめらかな、使用感や満足度の高いクレンジング製剤を生み出した。

 今回の研究結果は、「バイコンティニュアス相を液晶構造で増粘安定化させた新感触クレンジング製剤の開発」というタイトルで、国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)メキシコ大会2021にて発表した。

 近年、ウォータープルーフなどの高機能なメーク商品の需要とともにクレンジング力の高いBC相を利用した製剤が数多く開発されてきた。

 BC相を利用したクレンジングリキッドなどの製剤は高いクレンジング力と洗い流し性に優れているものの、粘度が低いため手からたれ落ちるといった使用性に課題があった。一方、クリーム製剤は粘度が高く、感触や使い心地に優れているものの、クレンジング力や洗い流した後の肌に油膜が残るといった課題があった。

 そこで、より顧客満足度の高いクレンジング製剤を開発するために「BC相の持つ高いクレンジング力を維持しながら、クリーム製剤のように使い心地のよい高粘度を実現」することをコンセプトに掲げ研究に取り組んだ。

 新規クレンジング製剤の開発にあたったのは同社 製品研究グループの新間優子氏で、コスモステクニカルセンターや東京理科大学、産業技術総合研究所、フィレンツェ大学との共同研究により、「バイコンティニュアス(BC)相」という水と油が3次元に入り組んだ両連続構造を維持したまま増粘・安定化させることに成功し、とろけるような新しい感触のクレンジング製剤の開発にこぎつけた。

 これまで技術的な難しさからBC相を増粘した製剤はほとんどみられなかったが、BC相と液晶(LC)構造を最適な比率で組み合わせることでBC相を維持しながらクリーム状に増粘させることに成功した。また、誘電率顕微鏡をはじめとする様々な界面化学的手法で解析することで新規構造BC/LCであることを明らかにした。

 今回開発した新規クレンジング製剤は、クリームのような使いやすさと使い心地のよさがありつつ、高いクレンジング力と洗浄後の肌感触に優れているといい、今回の研究内容を応用することで、顧客満足度の高い商品開発につなげていく。
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