ライオン、感染予防を考慮した歯みがき方法を啓発

粧業日報 2021年11月10日号 4ページ

カンタンに言うと

  • 「口閉じ歯みがき」と「舌みがき」の併用でコロナ感染リスクを低減
ライオン、感染予防を考慮した歯みがき方法を啓発
 ライオンは11月1日、メディアセミナー「感染症とともに暮らす時代のオーラルケア2021秋」をオンラインで開催し、第1部では公益社団法人 日本歯科医師会 常務理事の小山茂幸氏が「コロナ禍での歯科医療現場における生活者動向」、第2部では小山氏と公益財団法人 ライオン歯科衛生研究所 歯科衛生士の福田真紀氏が「感染予防を考慮した『口閉じ歯みがき』の紹介、舌みがきの提案」についてプレゼンテーションを行った。

 日本歯科医師会では、笑顔のあふれる真の健康長寿社会の実現に向けて、歯科医療や口腔健康管理の充実が必要であるとの認識のもと、新しい歯科ビジョン「2040年を見据えた歯科ビジョン-令和における歯科医療の姿-」を打ち出し、2040年の社会の姿を描くとともに、その社会で歯科が担う新しい役割と責任を明確にし、今後の歯科医療、口腔健康管理の充実に向けたアクションを、具体的にかつ一体的・総合的に展開することを目指している。

 特に、むし歯や歯周病が悪くなる前に予防・早期発見するには、日頃の口腔衛生管理の重要性であり、歯科医院などでの「プロケア(プロフェッショナルケア)」と、歯科医や歯科衛生士の指導に基づいた毎日の「セルフケア」の両方で、予防歯科を実践していくことを啓発している。



 小山氏は、日頃の口腔衛生管理がいかに重要であるかを伝えるべく、「コロナ禍での歯科受診控え」について3人の症例をもとに説明した。

 1人目の72歳女性は、10年間定期的に通院していたが、コロナ感染を恐れて1年9カ月通院を控えていたところ、疼痛に悩まされ再来院。歯の根元にむし歯ができ、歯を支える歯槽骨にまで影響するほど悪化することとなった。

 2人目の36歳男性は、コロナ禍前まで定期メンテナンスを受けてきたが、家族よりコロナが収まるまで通院を控えるよう要請され、1年6カ月通院を中断。その間にむし歯と歯周病の急性発作を併発し、痛みに耐えかね再来院した。

 3人目の49歳男性は、コロナ禍前まで定期メンテナンスで通院し、最終の診断でむし歯が見つかり治療を勧められたが、多忙で次第に足が遠のいていった。そうこうしているうちにコロナ禍が起こり通院しなくなったが、その後症状が悪化し痛みに耐えかね再来院となった。神経をとるほどの大きなむし歯だったという。

 「歯科医院ではコロナ禍前より常に感染対策を行ってきており、現在まで歯科治療を通じた新型コロナ感染拡大の報告はなされていない。安心して歯科医院を受診して欲しい。どんなに歯みがきしても、全ての歯垢は取り切れず、年齢とともに進む口の機能の衰えは防ぎきれない。専門職が行うプロフェッショナルケアを受けて、歯と口、全身の健康を長く保つことを心掛けて欲しい」(小山氏)

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