ライオン、健診データより「将来の健康リスク」を見える化

粧業日報 2021年11月17日号 5ページ

カンタンに言うと

  • AIを活用したデータ分析でより良い健康習慣の定着化を目指す
ライオン、健診データより「将来の健康リスク」を見える化
 ライオンはこのほど、独自開発した健康リスク予測で健康診断データから「将来の健康リスク予測とその見える化」を行い、個人別に健康リスク予測を提示し行動変容を促す提案を実施した。

 社内での検証の結果、約8割が行動を変える意思があることがわかった。さらに、口腔セルフケア習慣のデータ分析から歯間清掃用具の利用頻度と口腔健康との高い相関性を見出した。今後、継続したデータ分析を起点に、より良い健康習慣の定着化、健康習慣のDX化を進めていく。

 同社では、2019年から実施している従業員の健康意識の向上・自発的な健康行動の実践を促す取り組み「ライオン流健康サポート『GENKIアクション』」において、従業員の「将来の健康リスクを見える化する『個人別健康情報システムの構築』」を進めてきた。

 具体的には、従業員の健康診断としてがん検診など法定外項目を含む定期健康診断検査項目のほか、独自に歯科検診・唾液検査や生活習慣調査などを行っており、従業員の健康に関するデータが毎年蓄積されている。今回は、これらの蓄積されたデータを基にデジタルテクノロジーを活用して検証を行った。

 まず、従業員の健康診断データから将来の健康リスク予測を確立し、平井事業所の従業員を対象に検証を行った。「血糖」「血圧」「肥満」「う蝕」「歯周病」の計5項目で、現在の生活習慣を続けた場合の将来の健康リスクを予測した。そして予測結果を個人別に提示し、個人の行動変容の可能性について匿名のアンケートを行った。

 その結果、予測結果を見た従業員の感想として「想定内でまあそうだろうと思った」人が65%、「想定外だが受け入れられる」人が17%と、約8割の回答者が自身の健康リスク予測結果を好意的に受け止めていることがわかり、健康維持・改善のために行動を変える意思があることも確認できた。

 続いて、従業員のオーラルセルフケア習慣のデータ分析により、デンタルフロスなど歯間清掃用具の利用頻度を向上させることで口腔状態を改善する余地があることを見出した。

 2020年に実施した歯間清掃用具習慣定着率アップを目的とした社内キャンペーンでは、約2000名の参加者に対して歯間清掃用具を配布し、ライオン歯科衛生研究所がオリジナルで制作した歯科衛生士によるオーラルケア啓発動画を配信した。

 キャンペーン実施前後の健康診断データを比較した結果、2019年における歯間清掃用具の定着率が38%だったのに対し、2020年のキャンペーン後では48%となり、10%の定着率アップが確認された。
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