ライオン、「すすぎが簡単なハミガキ」のISS搭載が決定

粧業日報 2021年11月29日号 6ページ

ライオン、「すすぎが簡単なハミガキ」のISS搭載が決定
 ライオンは、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の「宇宙生活/地上生活に共通する課題テーマ・解決策のアイデア募集」にて「すすぎが簡単なハミガキ」を提案し、このほど、JAXAにおける搭載可否判断の結果、「ISS搭載可」と評価され、2022年を目途に宇宙に行き、宇宙飛行士のより良い「宇宙での暮らし」をサポートすることとなった。

 宇宙生活では水は貴重な資源であるため、水を必要とする歯みがきは超節水で行う必要がある。歯みがき後も水ですすぐことが難しいことから、これまでは歯みがきをした後に飲み込むか紙に吐き出すなどやり方に制限があり、人によっては「宇宙での歯みがきは不快感を伴うもの」だった。

 同社が提案する「すすぎが簡単なハミガキ」は、宇宙での歯みがきの不快感解消に向け、「吐き出しやすくするため泡立ちを抑える」「すみずみまでいきわたり、口の中に残りにくい」「味が残りにくく、マイルドな香味(味・香り)」「研磨剤無配合」といった4つの特徴がある。

 一般的なペースト状のハミガキと異なり、泡状タイプのハミガキで文字通りすすぎを簡単に行うことが可能なため、最長半年にも及ぶ国際宇宙ステーション(ISS)での生活においても、より良い毎日の歯みがき習慣を提供することができるという。

 この技術は、宇宙だけでなく、地上での生活課題、例えば、災害時などの水不足環境下や医療・介護の現場での口腔衛生の維持などにもつながるため、宇宙生活のみならず、地上生活にも共通して活用が可能だ。

 今後、あらゆるオーラルケア機会の提供にもつながる研究として、さらなる活用可能性を検討していく。

 今回の提案は、研究員の視野拡大やモチベーション向上を目的とした「業務の時間を最大15%活用した」活動の中で創出された。この活動は必ずしも本業に直結する必要はなく、研究員の「ちょっとやってみたい」という小さなアイデアに挑戦する機会を提供するもので、同社らしい活動が実を結ぶ形となった。
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