コーセーコスメトロジー研究財団、第32回表彰・贈呈式を開催

粧業日報 2021年12月3日号 3ページ

コーセーコスメトロジー研究財団、第32回表彰・贈呈式を開催
 コーセーが社会貢献の取り組みの1つとして支援を行っている公益財団法人コーセーコスメトロジー研究財団(小林保清理事長、現コーセー名誉会長)は、11月25日に「第32回表彰・贈呈式」を、コーセー本社内にある多目的スペース「KoCoLabo(ココラボ)」にて開催した。

 同財団は、多様かつ広範な学際領域に跨るコスメトロジー(化粧品学)に関する研究へ助成を行うことにより、広く生活者の保健衛生の向上を図り、美しく豊かな人間生活の実現に寄与することを目的として、1990年にコーセーの創業者である小林孝三郎氏により設立された。以来毎年、化粧品に関連する幅広い分野の特に優れた研究課題に対して研究助成を行っている。

 第32回となる今年度は、「コーセーコスメトロジー奨励賞」として、2018年以降の助成採択者14名の中から優秀研究者1名を表彰。また、「コスメトロジー研究助成」として、全国の主要大学、病院、公的研究機関からの133件の応募に対し、選考委員の厳正な審査により選ばれた32名(素材、物性に関する分野:10名、生体作用、安全性に関する分野:17名、精神、文化に関する分野:5名)の研究者に対して助成金贈呈を行った。

 主催者を代表して挨拶した小林理事長は、「当財団は、生涯現役として化粧品ひとすじに歩んできた父・孝三郎が、化粧品業界への感謝の思いから平成2年に設立し、これまでに幅広い分野の研究者への支援を通して、研究助成の実績を積み重ねてきた。今年までの累計助成件数は871件、総額は11億3500万円にのぼる。受賞された皆さんには、これからもコスメトロジーの発展に貢献されることを願ってやまない。今後もコスメトロジーへの研究助成を通して、人々の美しく豊かな生活の実現と化粧品産業の発展のため、着実に歩みを進めていく」と語った。

 続いて、二木鋭雄 選考委員会委員長が選考経過について、「今年は過去最多となる133件の応募が寄せられた。例年どおり『素材・物性』『生体作用・安全性』『精神・文化』の3分野で助成課題を募集し、各分野の専門委員による研究課題の総合評価に加え、『独創性』『発展性』『実用の可能性』『コスメトロジーへの波及性』の観点から予備選考を行い、選考委員会での慎重な審議の結果、32件の研究課題を採択した。今年は採択率にして24%という、近年にない厳しい選考になり、今までにない画期的な化粧品の誕生が期待できる新しい成分や製剤の開発テーマが増えた。また医学・薬学分野の研究課題が多く採択された。このことは化粧品が人々の健康的な生活の維持に欠かせないものであり、医学・薬学分野の最新の研究が重要であることの証といえる」と述べた。

 記念講演には、自然界に広く現れるキラリティー(左右性)に着目し、ミクロとマクロのつながりを解明する研究で、この分野の世界的リーダーとして知られる黒田玲子氏(東京大学名誉教授・中部大学特任教授)が登壇し、「科学の醍醐味-左右性から見る自然界の不思議」というタイトルで講演した。

 研究の着想からブレイクスルーを経て応用研究に至るプロセスなど、科学の醍醐味が実感できる内容ということもあり、来場した研究者、財団関係者が真剣な眼差しで聞き入っていた。
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