医薬部外品の開発に強みをもつミリオナ化粧品は、コロナ禍でありながらも好調な業績で推移している。医薬部外品については80品目以上揃えており、顧客ニーズに合った化粧品の提案が可能だ。
21年には、雪解け水を化粧品に活用するための取り組みも開始し、サステナブルな事業として注目を集めている。
阪本雅哉代表取締役に話を伺った。
――2021年を振り返るといかがでしょうか。
阪本 売上的には好調に推移した一年だった。育毛・養毛剤、除毛剤、洗口液や歯磨き粉、美白・シワ関連などの医薬部外品が伸長した。ただ、人員面での課題などはあり、引き続き採用を強化していく方針だ。
21年のトピックとしては、雪解け水を化粧品に活用するサステナブルな取り組みを開始したことが1番に挙げられるだろう。21年11月には、北海道美唄市で新規事業発表会を行った。22年夏頃までに雪解け水の生成工場を新設する予定だ。試験稼働を経た上で、雪が積もりはじめる22年12月頃からの本格稼働を目指す。
精製水を使って化粧品や健康食品の開発につなげることはもちろんだか、それとは別に美唄市と連携しながら、ウナギの養殖での活用もテスト的に進めている。
北海道初のウナギの養殖が成功すれば、かば焼き工場が作られることになるが、ウナギの骨と頭は廃棄物として残る。骨については、雪で冷やしながら保存し、一定量たまったら、焼かずにカルシウムを抽出して健康食品原料にしたいと考えている。また、ウナギの頭からはコラーゲンを抽出し、健康食品・化粧品両方において活用したい。
なお、海外展開においても、雪解け水の活用はブランド価値となっていくことだろう。
――今後の展望をお聞かせください。
阪本 国内需要はある程度頭打ちの状況であり、今後はキャパの取り合いになっている。通販も新しい市場として伸長しているが、店舗購入からの移行という側面も大きい。そうした中で、国内における競争に負けないよう、工場のキャパシティを上げながら生産規模を拡大していかなければならない。
これからの伸びしろといえるのは、やはり海外だろう。中国の法改正など、全てを視野に入れた上で海外展開に力を注いでいく方針だ。
また、当社は健康食品のOEMに関しては、化粧品と比べるとまだ規模が小さいので、今後は化粧品と同じくらいの規模まで拡大させていきたいと考えている。
当社は21年12月で創立30周年を迎えた。22年は設備投資に約20億円投入することが決まっている。雪解け水の化粧品活用を含め、様々なことにチャレンジしていきたい。