薬用化粧品・機能性表示食品OEMメーカーの天真堂は、昨年1月に新ビジョン「アジアをつなぐ美と健康の企画マーケティングカンパニー」を掲げ、同社の原点である単品リピート通販のワンストップ支援に加え、D2C・健康食品・海外事業の3つを新たな柱として強化している。
松﨑淳社長に、前期(2021年12月期)の振り返りと今期の抱負を聞いた。
――前期を振り返ると。
松﨑 当社ではWebを主戦場とするクライアントとの取引が多く、昨年は薬機法の一部改正による広告規制が各社に少なからず影響を与えた。
本来ならば顧客対応が活動の中心となるが、クリエイティブの見直しなどにリソースが割かれ、新規顧客の獲得に苦労されている印象が強く、一部のクライアントにとっては我慢の1年になった。
しかし、こうした状況でもEC市場への新規参入は継続的に増加している。これまで一貫してWebマーケティングに特化し、強みを持ったOEMメーカーであることを伝え続けてきた当社に対し、『天真堂ならば広告規制が厳しくなっていく中でも、LTVの最大化を実現してくれる』など、良い商品を提案してもらえるという評価を多くいただき、新規の問い合わせはコロナ禍でも引き続き好調に推移している。
製品面では、悩み別にカテゴライズして付加価値をつけた高機能シャンプーをはじめ、オーラルケアやメンズコスメのカテゴリーが前年を上回る実績となった。
――今期の抱負についてお聞かせください。
松﨑 昨年11月に同一グループとして連携を築いてきたグローバル伸和製薬の全事業を吸収分割で承継し、準備期間を経て今期からは天真堂の「岩手八幡平工場」として、医薬部外品と化粧品はもちろん、市場が拡大しているプロテインをはじめとした健康食品の製造が本格的に始動する。
健康食品に関しては新たな設備の導入を進めており、製造品目を増やし幅広い提案を行っていく。
今期に関してはこのほか、昨年より掲げる新ビジョンのもと、アジアをはじめとする海外との取引も拡大していく方針だ。
昨年は、海外法人からOEM製造を受託し、そのブランドが晴れてW11で一定の販売成果を得た。海外では既に昨年から商談が進み、今期は複数商品で海外法人とのビジネスが決定している。
また、現地の販売代理店との関係性を強化し、日本から海外進出したいというクライアントに対して、きちんとした販売ルートが提供できるような体制が整ってきた。
今後も協力いただけるパートナーをはじめ、クライアント、消費者、天真堂の四方良しを実現できる企業を目指していきたい。