「国に歴史あり」「人に歴史あり」、言い古された言葉です。同様、企業にも歴史がありますが、歴史があると言えるほどの永続性を感じている企業はどれほどあるのでしょうか。名前は続いていても、その内容に創業当時の理念や哲学が継承されている企業がどれほどあるのだろうかといささか疑問を持つことも多くあります。
昨年の2月から、渋沢栄一翁の足跡が「青天を衝け」として放映されておりますが、今渋沢栄一翁をドラマで取り上げ、新1万円札に用いることは、国としてどのような問題意識を持ち、どのような過程で決められたのか知りたいところであります。今日本は、渋沢栄一翁の国家観や哲学を再び学び直す時がきていると感じています。ヒノキ新薬の創業者である阿部武夫は、前身の高圧ポンプ会社である東京高圧機械製作所を興した頃(昭和11年)から渋沢栄一翁に心酔しており、第一銀行室町支店を取引銀行として会社を創業したのです。
そのようなことから我が社では、渋沢栄一翁の「論語と算盤」を社員教育に取り入れてまいりました。また、65周年の記念の祝賀会では、ご縁のあった方からお借りすることができた渋沢栄一翁の書、「不平等即平等」を展示し、今後の企業の方向性を示すものとして掲げております。
民主主義の弊害である「定年制」というものが定められ、健康年齢にかかわりなく、才のある人たちが仕事を辞めざるを得ないという事は、どれほど日本の生産性を阻害してきたのでしょうか。健康を維持し、働く意欲のある人の勤労の力を、これからの社会に活かしていくべきだと思うのです。
今後、ますます高齢者の人口が増え続け、定年前の働き手の人口と比べてみると、国家財政の大きな弊害になることは間違いないでしょう。人間にとって働いて世の中の役に立つことは、大変であるだけではなく、そこに大きな喜びを見出し、生きがいを持つことができるものだとも思うのです。生きがいのない晩年など、考えただけでなんとも同情せざるを得ない状況だと感じています。
そこで新たに我が社では、定年をとりあえず75歳までの延長を示唆しております。勤労力は多少個人差があると思いますので、高齢者の運転免許同様、従来やこれからの仕事に対応できるかどうか、試験や検査をしなくてはと思案中です。
これからは、ヒノキ新薬の商品特性を踏まえ、歳を重ねるごとに顕著になる肉体の変化や、ミトコンドリアの弱体、ホルモンの低下などからくる筋肉の劣化、とくに顔まわりの筋肉を補うことによって、加齢とともに悩みの種になるしわを補正するような商品の開発と美容法を、再検討していきたいと考えております。