伊藤忠ファッションシステム、WGSN予測から2023年春夏の傾向を紹介

C&T 2022年3月15日号 77ページ

2022年3月17日 13時00分



23年SSは個と社会のウェルネスを標榜する
消費者に向けた3テーマが重要なポイントに

 2023年春夏の消費者マインドでは、コロナ禍だけでなく、環境問題をはじめ、世界的にも先が見えない不安定な状況が続いていることから、個も社会もウェルネス、ウェルビーイングを求める傾向が高まることが推測される。

 そのため、WGSNではこれを契機に「Better Me, Better We(よりよい自分、よりよい社会へ)」の発想が生まれ、それがビューティーやファッション、インテリア、食品のトレンドにも反映されていくとしている。

 こうした、個と社会のウェルネスを標榜する消費者に応えるためにも、ビューティー分野においては「こころを温める(ソウルスペース)」「誰も取り残さない(フルスペクトル)」「よいデザインを再定義する(デザインワイズ)」の3つのテーマが、2023年の春夏シーズンで特に注目を集めていきそうだ。

 1つめのテーマ「こころを温める(ソウルスペース)」は、旧世界(コロナ前)の伝統とウェルネスの最新技術を融合し、心の充足、平穏、繋がりを育むビューティーをホリスティックな視点で追求する消費者を念頭においている。

 消費者はコロナ禍で数年にわたる混乱が落ち着いた後、個人・集団としてどのように心のバランスと幸福を手に入れるべきかを考えるようになる。そのため、ストレスに対処し、穏やかな気持ちにさせる製品の需要が高まることが予測される。

 そして、サイコダーマトロジーに目を向け、メンタルヘルスと肌の健康を等しく大事に考え、「ストレスはスキンケアの次なるフロンティア」という意識を持った製品開発が求められていくだろう。

 「こころを温める(ソウルスペース)」を思考する人にとって、ブランドは公正かつ倫理的であり、エコでなくてはならない。人と地球を守る製品開発を徹底し、製造にかかわる全ての人々を尊重することでポストコロナ時代の消費者に訴えるといったような、公正・倫理・エコを徹底した製品づくりがより加速していくだろう。

 また、石油化学物質の排除も重要で、PFAS(パーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物)のような永久に残る化学物質を含む製品を消費者は避けるようになる。そのため、メーカー各社は着色剤を含むあらゆる原料を包み隠さず公表し、害のある成分の排除に努めるべきだろう。

 さらに、家をスパに変身させるビュートピア(ビューティー&ユートピア)製品や美容グッズへのニーズも高まり、心身を癒す製品や体験・サービスの提供が重要になってくる。

 2つめのテーマ「誰も取り残さない(フルスペクトル)」を表す消費者像は、インクルージョンとクリエイティビティに価値を置き、大胆なビューティーナラティブを提唱する人で、ロックダウン中に溜まった鬱憤を発散させ、 カラフルで独創性、喜びにあふれる時間を取り戻したいと願っている。

 「誰も取り残さない(フルスペクトル)」のポイントとしては、インクルージョンを当然のものと捉え、全ての人々の声を伝えるナラティブとことばづかいを製品に投影する、ビューティーにダイナミックなスタイルを加えることが製品開発のテーマに求められるだろう。

 また、他人や自分との関わり方は再定義され、 性のウェルネスの向上はケアでもあるという発想が広まっていきそうだ。歓びと幸せをもたらし、かつデザイン的にもインテリアになじむ製品の提案が重要になる。

 そして、あらゆる消費者の心を掴むノスタルジックで五感に訴えるフォーマットや意匠の美しさによって、見る者を魅了するようなビューティー製品、セルフケア体験のデザインがトレンドになってくるだろう。

 このほか、マキシマリストなルックや享楽的なスタイリングは、あえてサステナブルなデザインで提案することが重要になる。特別感のあるアイテムはリフィル可能に、 バイオエンジニアリングによる原料、高い技能を持つ世界中の職人に敬意を表したコレクションはオーセンティックな製品として仕上げることでサステナブルとしても訴求が可能になる。

 3つめのテーマ「よいデザインを再定義する(デザインワイズ)」は、シンプリシティ、サステナビリティ、スマートデザインで、時間を節約し、財布に優しく、環境配慮にもつながる製品を探求する人を表している。

 「よいデザインを再定義する(デザインワイズ)」がイメージする消費者像は、より良い未来を目指し、結果につながるものづくりのプロセスに注目する人々で、まずは未来にとってプラスになる製品にフォーカスすることがポイントになる。

 丈夫で長持ちし、様々な方法で使えるデザインで、今、地球にもたらすインパクトだけでなく、未来に何を残すべきか考えることを念頭に商品を開発することが重要になってくるだろう。

 また、真実と透明性を強く求めるデザインワイズを思考する消費者は、製品の有効性について疑いの目を向け、厳しくチェックする。このため、ブランドは主張に責任を持ち、科学的に結果を証明し、テクノロジーを駆使して透明性を向上させることが求められる。

 グローバルでは、製品もカーボンニュートラルからカーボンネガティブへと移行していく。環境へ負担をかけないのはもちろんのこと、環境に良い影響を与え、地球を守り、未来につなぐことがポイントになってくる。グローバルマーケットでの展開を目指すブランドにとっては、こうしたカーボンネガティブまで視野に入れることが重要だ。

 さらに、全ての製品とサービスは誰もが利用できるインクルーシブなデザインでなければならない。ユニバーサルデザインのコンセプトに基づき製品開発を行い、障がいを持つ人も簡単に使えるようにデザインすることがより一層求められるだろう。

 「先が見えないこの時代に、ただ闇雲に今までと同じことをしても衰退していく一方だ。WGSN Beautyのコンテンツの核となるのはWGSN Insightで、テーマは春夏(SS)と秋冬(AW)の半年ごとに分けてそれぞれ3つを提示している。既に2023年AWのトレンド情報を入手しており、もうすぐ24年SSの情報も到着する予定だ。WGSNのトレンド情報は2年先のコンシューマーマクロトレンドを確実な裏付けに基づき、消費価値、ニーズ、傾向を予測できるメリットがある。2023年SSの具体的な消費者マインドは前述の通りで、こうした1~2年先のトレンド予測を踏まえ、新たな商品の開発の方向性やブランド戦略の策定はもちろん、既存商品のリブランディングにもWGSNが発信するトレンド情報を活用してもらいたい」(北島氏)

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