日光ケミカルズ、高い耐水性を実現したO/W型乳化剤

C&T 2022年3月15日号 42ページ

日光ケミカルズ、高い耐水性を実現したO/W型乳化剤
 日光ケミカルズは、耐水性とみずみずしさを両立したサンスクリーン製剤を実現できるO/W型乳化剤「NIKKOL ニコムルス 41S」の提案を強化している。

 一番の特長は、O/W型であるにもかかわらず、高い耐水性を実現している点である。これまで、O/W型の製剤は水に流れやすく、サンスクリーン処方においても、水に入るとすぐに流れてしまい、SPFの効果を発揮しないという課題があった。

 一方で、O/Wは非常にみずみずしく、使用感もよいことから、同品においては、耐水性とみずみずしさを両立するため、界面活性剤と高級アルコールで形成するゲルネットワーク構造を採用している。

 NIKKOL ニコムルス 41Sは、長年販売してきたNIKKOL ニコムルス 41と組成や乳化特性は同じだが、新たにコスモス認証・RSPO認証に対応した原料を使用したグレードであり、サステナブルな製品開発に貢献できる。また、微粒子酸化チタンや微粒子酸化亜鉛とも併用することが可能だ。

 「多くの機能を有しており、その耐水性の高さからサンスクリーンのほか、クリームファンデーションやBBクリームなどのメークアップにも採用いただいている。また、保湿効果として乳液やクリームなどのスキンケアにも活用されてきた。1品で幅広い用途にご活用いただけることから引き合いも多い」(同社)

 なお、前述のゲルネットワーク構造が水中で安定に多く存在すると、これらが絡み合ってクリーム状になる。得られたO/W型エマルションは、このゲルネットワーク構造により、広い温度領域で良好な安定性を示し、塗布後はゲルネットワーク構造由来の疎水性被膜を形成するため、優れた耐水効果や持続性のある保湿効果を示すという。

 その耐水効果と持続性のある保湿効果については同一の組成や乳化特性をもつNIKKOL ニコムルス 41で実証している。

 耐水性効果については、NIKKOL ニコムルス41を3%配合した製剤と酸化エチレン系乳化剤を3%配合した製剤をそれぞれ皮膚に塗布し、放置してから、40分間水に浸した後、紫外線を照射してSPF を測定することで確認した。

 その結果、塗布直後は、NIKKOL ニコムルス 41で調製したサンスクリーン製剤も、酸化エチレン系乳化剤で調製したサンスクリーン製剤も同程度のSPF 値を示した。

 一方、耐水性テスト後においては、NIKKOL ニコムルス 41で調製したサンスクリーン製剤は、塗布直後と比較しSPF値にほとんど変化はなく、酸化エチレン系乳化剤で調製したサンスクリーン製剤の約1.5倍高いSPF値を示した。

 さらに、耐水性能を目視観察するために、人工皮革にそれぞれのサンスクリーン製剤を塗布し、30分間水浴で浮遊させた後、乾燥し、SEM観察した結果をに示している。

 酸化エチレン系乳化剤で調製したサンスクリーン製剤は、耐水性テスト後に化粧塗膜が均一になっていないことが確認されたが、NIKKOL ニコムルス 41で調製したサンスクリーン製剤は、耐水性テスト後も化粧塗膜が均一であることが確認された。

 このことより、NIKKOL ニコムルス 41および41Sで調製した製剤は、高い耐水性をもつと期待される。

 また、NIKKOL ニコムルス 41および41Sで調製した製剤は、ゲルネットワーク中に水分を保持する。この水は結合水であるため、自由水と比較して容易に蒸発しない。

 このため、酸化エチレン系乳化剤で調製された製剤と比較して、持続性のある保湿効果が得られるという。

 その効果を実証するために、男性4名、女性8名において、NIKKOL ニコムルス 41を2.5%配合した製剤と酸化エチレン系乳化剤を2.5%配合した製剤をそれぞれ塗布し、室温23℃、湿度45%の環境試験室で30分間安静にした後、表皮角質層の水分を測定した。



 その結果、酸化エチレン系乳化剤で調製した製剤は、塗布直後は高い値を示しているが、結合水が非常に少ないために、水分が容易に蒸発してしまい、すぐに低い値となってしまっている。

 一方で、NIKKOL ニコムルス41で調製した製剤は、ゲルネットワーク中の結合水のために、時間が経過しても高い水分量を示している(図)。このことより、NIKKOL ニコムルス41および41Sで調製した製剤は、持続性のある保湿効果を有すると期待される。

 「今後は、サステナブルな観点での製品開発がますます重要になると考えている。こうしたプレミックス品のほか、単一原料に関しても、自然由来のものを積極的に開発し、製造工程から最終製品に至るまでのCO2排出量の低減など、原料のコンセプトだけでなく、会社として環境配慮型の製品開発に注力していく方針だ」(同社)
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