花王、新しいコスメ選びのイノベーションを推進

週刊粧業 2022年4月11日号 4ページ

カンタンに言うと

  • 「RNA肌型」のデータベース構築へ
花王、新しいコスメ選びのイノベーションを推進
 花王は、独自開発した皮脂RNAモニタリング技術を応用し、アイスタイル社と共同で新しい化粧品選びの仕組みづくりを開始する。この技術のビューティ分野での活用として同社は、2020年12月より、ビューティ情報発信拠点「BEAUTY BASE by KAO 銀座店」にて、その技術を用いたカウンセリングサービスのテスト運用をスタートしている。

 今回は、アイスタイル社が運営するビューティ総合サイト「@cosme」会員のうち承諾が得られた人の皮脂RNAを収集して「RNA肌型」に分類・データベースを構築し、RNA肌型から化粧品を効率的に選択できるサービスの実現に向けて取り組んでいく。

 今春から1万人規模の皮脂RNAを収集・解析を進め、24年の実装を目指す。プロジェクトリーダーである研究開発部門スキンケア研究所の庭野悠グループリーダーに話を聞いた。

 ――開発した皮脂RNAモニタリング技術の実装に向けて動き出します。

 庭野 スキンケア研究では、消費者の肌の悩みに対して、新しい機能やソリューションを搭載した製品を生み出してきているが、その一方で、多くの消費者が自分の肌に合ったコスメと出会えていないことは長年の業界課題として残っていた。

 近年はSNS上で信頼できるユーザーの情報を参考にしながら商品を選ぶ新しい購買行動も見られているが、主観的な判断で購入しているという点では、従来のコスメ選びと同じである。モノも情報も溢れているのに自分に合ったコスメに出会えていない――。当社が開発したRNAモニタリング技術は、そんな消費者のジレンマ解消につながっていくと考えている。

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