資生堂、江川麻里子主任研究員が科学技術賞を受賞

粧業日報 2022年5月2日号 4ページ

資生堂、江川麻里子主任研究員が科学技術賞を受賞
 資生堂 みらい開発研究所 江川麻里子主任研究員は、「令和4年度科学技術分野の文部科学大臣表彰」にて、日本の科学技術の発展等に寄与する可能性の高い、独創的な研究や開発を行った人物に対し贈られる「科学技術賞(研究部門)」を受賞した。

 受賞者の発表は4月8日に行われ、4月20日には末松信介文科大臣出席のもと、表彰式が催された。

 受賞のきっかけとなった研究は「近赤外およびラマン分光法によるヒト皮膚成分分布解析の研究」で、3つの分光技術(近赤外分光イメージング、自発ラマン分光法、非線形ラマン分光法)により、皮膚切片を特殊な薬剤等により処理する必要のあった従来技術では観察が難しかった「生きたまま」の状態の皮膚の構成成分の分布とその変化挙動を、非侵襲的に評価することを可能にしたことが評価された。

 これにより、水・タンパク質・脂質などの皮膚成分の外部環境応答や、皮膚の新陳代謝に関係する表皮の分化の詳細な過程を、可視化することに初めて成功し、これらの知見は、皮膚科学の新たな基礎知見として、同社の商品開発へ応用しているほか、多数の学術発表を行うことで、日本、世界の科学技術の発展に貢献している。

 受賞に際して江川研究員は、「今回の研究業績は、分光法を非侵襲での皮膚の計測や評価法へ応用し、『美容、健康、医療』の全ての土台となる皮膚科学の新たな知見を生み出すなど、産学両分野に貢献している。今後も人々が健やかに幸せに生活できる社会の実現のために、分野横断的な視点で研究を進め、科学技術の発展に貢献していく」とコメントしている。
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