樋口商会、多種多様なアップサイクル原料を提案

週刊粧業 2022年6月6日号 10ページ

樋口商会、多種多様なアップサイクル原料を提案
 樋口商会(大浜亘社長)が輸入販売している化粧品原料は、有効性が高く、豊富なデータを有していることを特徴としており、同社が約70年医薬業界で培った経験と知見を活かしている。現在は、アップサイクル原料を強く打ち出している。

 フランスのブルターニュ地方に拠点を構えるODYCEA社(オデシア社)が開発したJADE ALGAは、オオバアオサを使用したアップサイクル原料だ。オオバアオサは、農薬の海洋流出や地球温暖化の影響で大繁殖し、ブルターニュ地方の海辺における環境問題になっており、毎年行政の費用負担により回収処分されている。ODYCEA社は、廃棄処分されているオオバアオサが持つ形状記憶機能に着目し、この機能を化粧品原料に応用することに成功した。

 JADE ALGAはソフトピーリング効果や角質構成タンパク質の産生促進効果により角質を緻密な形状に保つ機能を有しており、昨年のCITE JAPANアワードの環境部門で銅賞を受賞している。

 同社から昨年6月に発売されたPINK NECTARは、古くから民間薬として使用されているヘザーの花から抽出したアップサイクル原料だ。

 ヘザーの花は出芽から販売可能なサイズに育てるまでに3年の時間を要し、1年の開花時期が終わると剪定され次年度にそなえる。PINK NECTARは、その剪定された花を廃棄処分にせず、回収してエキスを抽出した製品である。皮膚恒常性の維持に重要な役割を果たす28の遺伝子の発現刺激をし、短期・長期保湿効果の付与、皮膚バリア機能の回復効果、ターンオーバー促進効果を付与する原料だ。

 同社は他にもFLORALG WATERというアップサイクル原料も開発している。同原料はダルスエキスという表示名称で水の代替として使用可能なエキスで紅藻のエキスを抽出する前の乾燥工程において、排出される蒸気をトラップして製造している。

 また、延べ5000種類の植物エキスを製造販売しているGREENTECH社(グリーンテック社)にも注目が集まっている。アップサイクル原料だけではなく、海外の研究トレンドに即した製品をいち早く取り入れている。ゾンビ細胞をターゲットにした原料や、皮膚・頭皮のマイクロバイオーム調整原料、概日リズム調整原料、サステナブル原料、植物由来の界面活性剤など多種多様な原料を開発している。
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