日本コルマー、18期連続増収を達成、国内盤石で海外の成長拡大に意欲

週刊粧業 2022年8月22日号 6ページ

日本コルマー、18期連続増収を達成、国内盤石で海外の成長拡大に意欲
 化粧品・医薬部外品OEM/ODM業界で国内最大手の日本コルマーは、国内5研究所・研究員約200名体制による研究開発力と、生産品目や顧客の販売チャネルなどが集中しないようバランスをとる分散政策を推進することで、コロナ禍で化粧品市場が縮小する中においても、売上を伸ばし成長を維持している。

 2022年3月期はコロナ禍の巣ごもり需要が継続して通販・EC向けを中心としたスキンケア・ヘアケア製品の引き合いが好調で、売上高は前期比4.4%増の493億円となり、18期連続増収を達成した。

 今期(23年3月期)もコロナ禍のスタートとなったが、第1四半期は前年同期を上回って推移している。神崎友次会長は、「将来の市場推移などは予測が困難であるが、これまで通り、目の前の変化を重視して対応していく」と述べ、売上高505億円(前期比2.4%増)を目指す。

 同社は、国内7工場体制で年間約8000SKUの化粧品を製造しており、そのうち新製品は年間約1000SKUを占める。取引企業は約500社にのぼる。

 神崎会長は、「コロナ禍でメークの受注が伸び悩んでいるが、代わってスキンケアやヘアケア、ボディケアといった他のカテゴリーで引き合いが増えている。リアル店舗を中心に市場を牽引してきたブランドの苦戦が見られる一方で、ECブランドなどが好調に推移している」との見解を示し、今後の国内市況について語った。

 「様々な業界でオープンイノベーションが推進され、OEM業界が脚光を浴びている。化粧品業界もその流れが強まり、近年は製造だけでなく、研究開発を含めたアウトソーシングの需要が高まっている。今後さらにこの傾向が強まる中で、当社がOEM/ODM専業であることは、顧客にとって安心・信頼の要素になっていくはずだ」

 海外OEM/ODM事業では、中国(蘇州コルマー/杭州コルマー)とベトナム(コルマーベトナム)の海外生産拠点の工場稼働率を上げていく。

 中でも、コルマーベトナムは、工場が竣工して間もなくコロナ感染が拡大し、ロックダウンなどの影響によって、約2年間稼働を開始できなかった。まだコロナの収束は先行き不透明な状況にあるが、今年に入ってからベトナムの経済状況は良くなってきている。

 神崎会長は、今後のベトナムの購買力向上に期待して、「コルマーベトナムも蘇州コルマーと同様、日本のOEM№1企業としての認知度や、商品開発力・高品質に裏付けられた信頼・評価を強みに、日系企業の他、欧米を中心としたグローバル企業のASEAN市場向け製品の受け皿となることで成長拡大を図っていきたい」と意気込みを語った。
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