岩瀬コスファ、数多くのサステナブル原料を展開

C&T 2022年9月15日号 40ページ

岩瀬コスファ、数多くのサステナブル原料を展開
 岩瀬コスファでは、幅広くサステナブル原料を展開している。

 トウモロコシ由来の糖を発酵させ、得られた植物由来グリコール「Zemea Select Propanediol」(Primient Covation LLC社、Zemea Select PropanediolはPrimient Covation LLC社の登録商標)は、100%天然由来のサステナブル原料で、ライフサイクルアセスメント分析(LCA)という手法を用い、環境負荷を定量的に評価している。

 製造過程において、石油由来の「1,3-プロパンジオール」と比べて温室効果ガス排出量とエネルギー使用量をそれぞれ56%、42%削減でき、プロピレングリコールよりもそれぞれ42%、38%の削減になる。

 また、角質水分量の向上作用が確認されており、グリセリンとの併用により優れた保湿効果を示し、 べたつきの少ない、しっとりすべすべの使用感を与える。毛髪には、しっとり感、落ち着き、軽さ、やわらかさを付与する。

 毛髪水分量を測定するリーブオンのモニター評価では、通常の洗髪後にタオルドライした頭髪を左右に分け、サンプル(5%水溶液)を適量塗布した後ドライヤーで乾燥させた。

 これを2日間繰り返し、翌日毛髪の感触を評価したところ、グリセリン等と比べて「つるつる感・柔らかさ・落ち着き具合・さらさら感・しっとり感」すべての項目において同等かそれ以上の使用感が得られた(図)

 シャンプーへの配合においても同様の結果が得られ、特にしっとり感・落ち着き具合において従来のポリオールを上回る使用感が得られた。

 「スクラビューティ MX」はミロネクトンと寒天からなる100%海洋由来の崩壊性スクラブ剤である。天然無機物質のミロネクトンは、数千年前に埋没堆積した海洋動植物(殻、魚類の各種ネクトン、プランクトン、藻類、海草その他の生物類)に由来する。

 ミロネクトンは、微生物による分解・代謝・再合成などを繰り返してできた腐食泥が、太平洋プレートの地殻変動の結果、地塁上に突出し、衝上断層を生じて出来上がった福島県棚倉町の東西に伸びる棚倉破砕帯より採掘されており、「タナクラクレイ(化粧品表示名称)」として化粧品に利用されている。

 ミロネクトンは多孔性に富み、皮膚表面上の垢や汚れを吸着する効果が期待できるほか、各種ミネラル成分が豊富で肌にうるおい感を付与する。

 また、安心・安全への取り組みとして、放射性物質の全ロット検査を実施し、COSMOS認証も取得済である。このミロネクトンを高度な造粒技術により適度な硬度とサイズにコントロールした「スクラビューティ MX」は、マイクロプラスチックビーズ対策品として注目を集めている。

 使用時に崩壊するため肌あたりが優しく、洗顔料等におすすめの原料であり、マッサージ効果にも優れている。中国INCI、医薬部外品にも対応している。

 天然由来の増粘剤「Kelco-Care diutan gum」(ルーブリゾール社、Kelco-CareはCP Kelco社の登録商標)は、微生物発酵生産から得られる原料で、0.05~0.5%と少量添加でも粘度と安定性を付与できることに加え、耐電解質性とpHに依存しない性能を特長としている(pH3~10)。

 優れた感触とマイルド性をもち、幅広い種類のオイルやエモリエント剤と相性がよい。



 また、電解質と併用することにより、相乗効果でさらに粘度と安定性を付与できることが確認されており、有効成分等を溶解させる際の処方上の課題をクリアできる。

 電解質存在下における、粘度と安定性を確認する試験では、電解質未添加時と0.5%NaCl添加時を比較した。

 その結果、電解質未添加時と比べ、0.5%NaCl添加時では最適な粘度と安定性が付与されており、電解質未添加時の増粘の挙動は緩やかであるのに対し、電解質を添加することで相乗的に粘度が向上することが確認された(図)

 ほかの増粘剤との併用による相乗効果も確認されている。電解質存在下においてキサンタンガムと併用したところ、粘度・降伏値ともにシナジー効果が確認された。さらに、ほかの天然由来増粘剤(グアーガム・タラガム・ローカストビーンガム)との併用下でも、シナジー効果が確認されている。

 官能テストを実施したところ、一般的に増粘剤として用いられるグアーガムやキサンタンガムなどと比べて、残り感の少なさやベトつきのなさなどが顕著に表れた。

 そのため、スキンケアやサンケアなどに適した感触やマイルド性が期待できる。また、幅広いエモリエント剤やオイルと相性がよく、高配合で使用できるほか、UVフィルター(有機および無機)と顔料との相性もよい。

 ビーガン対応のほか、再生可能炭素指数が0.95と高く、分散が容易でコールドプロセスも可能と、幅広い側面から環境配慮にアプローチできる原料となっている。
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