コーセー、山中伸弥氏と「若返り研究」を推進

粧業日報 2022年10月11日号 2ページ

カンタンに言うと

  • 米グラッドストーン研究所へ研究員1名を派遣
コーセー、山中伸弥氏と「若返り研究」を推進
 コーセーは、世界トップレベルの医学研究で知られるグラッドストーン研究所(米国カリフォルニア州サンフランシスコ)の上席研究員・山中伸弥博士が主宰する山中研究室へ研究員1名を派遣し、「若返り研究」をともに推進していくことで合意した。山中博士は、京都大学iPS細胞研究所(CiRA)名誉所長兼教授も務めている。

 グラッドストーン研究所の山中上席研究員率いる世界トップレベルの研究室に研究員を派遣することで、最先端の研究アプローチを習得し、同社研究所の基礎研究力の向上につなげる。また、これまでも同社はiPS細胞や世界的にも稀な同一人物由来の加齢モデル細胞を用いた老化研究を行ってきたが、さらに今回の「若返り研究」の知見を取り入れることで、業界に先駆けた新たな化粧品やサービスの開発を進めていく。

 グラッドストーン研究所は、独立した非営利のライフサイエンスの研究機関であり、先見性のある科学技術を駆使して、医療、経済、社会に多大な影響を与える、未だに治療法が確立されていない疾患の克服を目指している。

 同研究所は米国カリフォルニア州サンフランシスコにて1979年に設立された世界トップレベルの医学研究所であり、スタンフォード大学、カリフォルニア大学サンフランシスコ校・バークレー校など、ベイエリアの主要学術機関と提携関係を結んでいる。山中博士は、2007年からグラッドストーン研究所で上席研究員として研究室を主宰している。

 今後は、グラッドストーン研究所の山中研究室と、同一人物由来の加齢モデル細胞などを用いた研究を推進することにより、これまで解明されていなかった加齢変化の仕組みを発見・解析できることが期待される。加齢の新たなメカニズムを解き明かすことで、老化に関する知見を蓄積し、より顧客ニーズに応える化粧品やサービスの開発に応用していく。

 これまでコーセーは、「若返り研究」の一環として、同一人物から36~67歳にわたり採取した皮膚線維芽細胞と、それらから作製したiPS細胞を解析・評価し、皮膚老化の研究に取り組んできた。分化した細胞から未分化のiPS細胞に初期化することによって、老化した全ての細胞のテロメア(細胞分裂するたびに短くなる染色体の末端部分)の長さが回復することを報告している。

 また、別のアプローチとして、皮膚線維芽細胞をiPS細胞を経て新たな皮膚線維芽細胞へ分化誘導することに成功し、このiPS細胞から誘導した皮膚線維芽細胞は元の細胞に比べてミトコンドリアの質が回復することを報告している。
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