宮本、環境・SDGsに配慮しつつ三方良しのモノづくり目指す

週刊粧業 2022年10月17日号 38ページ

宮本、環境・SDGsに配慮しつつ三方良しのモノづくり目指す
 容器の販売を手掛ける宮本の今期(22年11月期)の実績は、前期に売上・利益が大きく伸びた反動で、ほぼ前年並みで着地する見込みだ。

 同社では現在、原材料価格高騰の影響もあり、販売価格に転嫁せざるを得ない状況だという。

 「インバウンドに関しても、まだそこまでの回復は見込めないと考えている。インバウンドの主力である中国ではいまだに厳しいコロナ規制が行われており、以前ほど訪日しやすい状況ではない。またロシアによるウクライナ侵攻の影響は今のところ見られないものの、天然ガス不足などの問題が冬以降に表出し、厳しい状況になる可能性も考えられる」(代表取締役 宮本浩樹氏)

 同社では、来年1月に東京ビッグサイトで開催される化粧品開発展に出展を予定しており、そこで大々的な発表を行う計画だ。SDGsに関する新たな提案を検討しており、その中でも特に容器ロスに関連した取り組みを披露するという。

 「環境問題への配慮は重要だが、その一方でコストへの影響もある。お客様、工場、当社が三方良しという状況を作り出すために、コストを下げつつ、見た目や機能性を損なわない方向性を模索していく」(宮本氏)

 同社は、環境対応容器にも幅広く対応しているが、コロナ禍以前は従来のプラスチック容器と比較すると高コストになってしまうなど難しい側面もあった。しかし現在では、その状況は改善されてきているという。

 「バイオマス容器などは、以前は数倍のコストがかかっていたが、全体の流通量が増加したことで、10%~20%程度のコスト増で抑えられている。ただ100%プラスチックをなくすことは困難であり、再利用などの道を探っていく必要がある」(宮本氏)

 また、自社で印刷工場を所有しており、バリエーション豊かな加飾法で幅広いニーズに対応できる。納期に柔軟に対応できる点も非常に大きいという。

 「他社と連携して行う場合、どうしても時間的なロスが生じてしまうので、その点で自社で所有するメリットは大きい。現在2カ所の印刷工場を所有しており、それぞれが特色を持って稼働している」(宮本氏)
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